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2017年10月05日

ラベルエキスポヨーロッパ報告(6):EB印刷の曙光

将来水なし印刷にとって有望な分野は、EB(Electron Beam:電子線)キュア方式を採用したEB印刷である。EBインキは、UVインキと同じく無溶剤であるためVOCを発生しない。UVインキとの相違は、UVインキはインキを硬化させるために光重合開始剤が必須あり、硬化後も光重合開始剤の特有の臭気が残り食品包装用の印刷には抵抗があるが、EBインキはこの光重合開始剤は不要で、電子線の照射により瞬時に硬化し、臭気も残らず商品包装用印刷に最適である。電子線で硬化するためのエネルギーも、紫外線硬化に比べて格段に少ない。      オフセットEB印刷物(東洋インキ)
eb.jpgのサムネール画像ただ、ラジカル重合タイプの樹脂を使用しているため、酸素の存在する雰囲気下ではインキの硬化特性が劣るため、通常は空気中の酸素ガスを窒素で置換した雰囲気下で照射する必要がある。日本では、欧米に比べて窒素発生装置のインフラが十分でなく、EB印刷の採用拡大に時間がかかると思われる。
ラベルエキスポでは、東洋インキがオフセット及びフレキソ印刷でのEB印刷物の展示し、サカタインクスが、デジタル印刷用のEBインキを供給し、ebeam社(スイス)、Uteco社(イタリア)とのコラボで出展をしていた。
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  (デジタルEB印刷機)
東レが、印刷機メーカー、インキメーカー、印刷会社とのコラボで開発している水溶性UVインキが、EBインキに転用できれば、VOCレス、臭気レスの究極の印刷が実現できることになる。