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2015年08月05日

プリネットで低VOC運用を水なし印刷で実施

Prinet2.jpg
心と情報のネットワークを掲げる、プリネット株式会社のVOC計測に出かけた。水なし印刷を実践され、その環境成果の確認をかねて訪問させていただいた。
都心の港区でプリプレス、プレス、ポストプレスを導入している仲間仕事専門の会社であるが、上手に土地を活用されている。2階(菊前4色水あり)、3階(菊全5色水なし)、5階(菊半裁4色水あり)に印刷機が設置され、各々独立していたので正直な計測ができた。
 隣にはマンション棟があり、環境には最大の配慮を払わねばならない。今までもVOC抑制には配慮してきたが、この度、1台の生産機を水なし運用にしてみたが、その結果を検証してみた。
Prinet VOC measuring.jpg
このグラフを見ていただき一見して、水なし印刷機のVOC放散量の低さが目に付く。これはなぜだろうか?
offset VOC mechanism.jpg
水なしオフセット工場のVOC 放散量が少ない理由につき、計測を通して考察を重ねてみた。以下、その考察内容を述べてみたい。
 運転中の水ありオフセット印刷機から放散されるVOC の要因は、1 に呼出され続ける湿し水にある。2 はインキローラであるが、この量は低いものである。3はインキ壷であるが、この量はさしたるもの量ではない。4.としては各種の洗浄作業である。これは常時ではないが、回転する部分に洗油を散布するのでVOC放散量としては、一時的に高いものとなる。水なしでは1の要因がないため、水なし印刷機のVOC 放散量は至って低くなる。
物体に、化学成分をかけると、これがVOC 発生を助長してしまう。昔と違い、今のオフセット機は高速化されていて、真水の湿し液では機能してくれず、化学薬品である添加剤を入れて高速化対応を図っている。しかし、皮肉にもこれがVOC 発生と言う負の要因を助長する。
 環境を重視するなら、できる限り、化学薬品を使わない水なし印刷方式を目指すべきなのであろう。
 プリネットは水なし化により、従来方式に比べVOC値を1/3〜1/4に削減することができたのだ。