ハイデルベルグ・クイックマスターDI機は1990年代に登場し、当時一世を風靡した。また、次にリョービ3404DI機がこれに引き続き市場され、プレートセッターと印刷機が一体になった仕組みは小ロットカラー市場ではうってつけの機械との定評を得た。
しかし、時代は変わり、小物カラー印刷の世界では、今ではデジタル印刷機が市場では勢いを増している。
でも、DI印刷機は本格印刷とその重宝さの故、今でも町場で現役として立派に活躍している。サミット印刷(東京都港区)では、本格カラー印刷物のquick turn-around(迅速出荷)用途に2台のDI機が活躍している。本格印刷の水なし方式の手軽さがまだまだ、市場で受け入れられている。
「インキセットは10分でOK。仕事の手離れが格段に良くなってくれた。」と顔面笑みのサミット印刷のオペレーター氏。
更なる迅速出荷を求め、高価に付くUV方式でなく、迅速セットとパウダーレスで印刷ができるNIKの水なしSPLインキの採用に踏み切られた。パウダーがほぼ不要となり、さらに、10分でセットしてくれるのでDI機の生産性はこれで上昇してくれた。同時に、次工程へ早く引き渡せるメリットも生まれてきた。
これはまさに、AメーカーとかFメーカーが最近、水ありオフセットで水を切って印刷する「迅速乾燥印刷」をもしのぐ、「水なし迅速乾燥印刷」と言えるのではないだろうか。
水ありでは版の特性を利用して水を切るのが特徴であるが、水なしではインキに工夫を凝らした新方式と位置づけられる。その仕組みは:
と言う具合である。
まさに、DI印刷機をを復活させる、すごい助っ人となってくれている。