本展示会はデジタル−アナログ議論とは異次元の展示会である。印刷人は目下は、デジタルとか、販売促進に眼が向いている嫌いがあり、地味に見える環境問題にはこのところ遠ざける嫌いを感じる。しかし、業界でも、本筋を見据えた会社・団体はしっかりと本展示会に出品されていた。
この展示会で併載された各種セミナーにはこれからの生き方、人の気をひきつける中味のある内容のもので、ほとんど無料で聞かせていただけたのは嬉しかった。印刷団体のイベント催事では聞けない内容のもので大変刺激をいただいた。
産廃業者で一躍名を馳せた石坂典子社長の講演は、まさに、100年先を見据えたもので、印刷人にはないタイプの方とお見受けした。ダイオキシン事件で苦杯をなめたことが奮発となり、地域密着、工場開放、おもてなし企業へ・・・これは我々印刷人が学びとらべばならないものだ。氏の単行本「絶体絶命でも世界一愛される会社に変える! —2代目女性社長の号泣戦記」は大変参考になる。
リマで開催されたCOP20から13日朝5時に帰国され、同日の15時30分からの講演をされた本郷尚氏の「COP20〜現地で見た”チェンジ”〜CO2でビジネスが変わる」は大変示唆に富む話であった。新聞報道だけでは本質論はつかめず、世界に集まった識者の討議、そこから見える方向性は印刷人のとって勇気付けられるものであった。いずれは炭素税が導入されてゆく趨勢になろうが、印刷人としてもその身構えはしておかねばならない。
カーボンフットプリント(CFP)、カーボンオフセット(CO)など、現下の見方では即効能が薄い感じにとられているが、米中共同声明で示された、CO2削減の動きが加速してくると、CFPもCOも脚光を浴びてきそうである。
この3日間は我々のブースへの集客もでき、新製品を中心に反応をいただくことができ、大変実りのある展示会イベントとなった。