7月4日(金) VOC測定器を携え、東北地区の会員企業3社のVOC値の測定に当たった。各社とも、細心の注意を払い、VOC抑制に努めておられる様子が伺えた。
A社はラベル・パッケージに特化された工場で、水なしUV機(この春先に導入した最新型菊全6色コーター印刷機)と水ありUV外国機(菊半歳6色コーター印刷機)を計測させていただいた。
水あり機の方は、アルコールを最少量添加して使う以前の機構のもので、水なし機から見るとVOC放散値は高めに出ていたが、一般的事例から見ると大変低い数字になっている。UV印刷であるゆえ、使う洗浄液類が油性印刷とは異なり、この影響は見られるようだ。
B社はチラシ、冊子ものをこなす、商業印刷工場であるが、高い天井と低速扇風機による空気の攪拌のバランスが取れていて、大変低いVOC値を示している。1箇所、空気溜りのところがあり、高めの数字となったが、他社から見るとこれでも低い数値である。同社は大阪市で起きた胆かん発症事件を反面教師とし、洗浄時には毒マスクを着用しての作業に当たらせる徹底ぶりである。
C社の機械保全はすばらしいものがある。経年機をものの見事に自主メンテナンスのもとで機械を動かしている。基本は水なしで逆を言うと、水なしであるがゆえ、メンテも行き届くのかもしれない。全般的にVOC値も低いが8色機などは機械が長く、奥まったところに設置されているので空気溜りが起きている現象が見られた。気になる数字ではないが、空気溜りをとる工夫を凝らすに越したことはなかろう。
全般的に、我が会員企業は環境への意識が高く、VOC放散値でも低い値を示してくれていたる。