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2013年03月28日

水なしを活かして封筒印刷をこなす、ニーズ掘り起こしの達人

 例年より1週間も早く桜満開となる中、護国寺すぐ近くの有限会社ニーズ様を訪問。忙しくされている中で、元気そのものの上田社長と面談させていただいた。社名『Needs』とは?ありそうでなさそうなネーミングであるが・・・、上田末人社長は「25年前までいろんな商売を手がけられたが、異業種で培った経験を生かし、印刷を通して世の中にお役立ちできる「Needs」を達成できるなら、これは大いにやりがいのある事業との思いから印刷会社を興されたのだ。前向きの源は、まさにここにあるのだ。
「ニーズ」では、封筒名入れ印刷は全て水なし印刷で行っている。しかも非冷却の小型印刷機(軽オフ機)を使用しているのだ。理由を伺ってみたところ、社長は「こういう封筒名入れ印刷や端物印刷は、予備が無いのが現実。水なし印刷だからこそ対応できるとする。最初の一枚目から正紙が出てくれるので、これは今の時代には相当ななメリットだ。同業他社で困っているところがあれば、相談にのってあげたいね。製版設備があるので、ネットでデータを送っていただければ、四六半裁までの版出力は可能なのだよ。」と、にこやかに話してくれる。確かに水あり印刷で同様の仕事を行おうと、それなりのヤレ紙が必要で、材料の高い封筒のコストパフォーマンスを上げるには、水なし印刷方式がぴったりである。
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 端物印刷を行っている同業他社の多くは、相当使い込んだ小型オフセット印刷機を使っているので、湿し水周りに何らかの問題を抱えている場合が多い。それなら、一層のこと、湿し水を使わないわがニーズ方式でいいのじゃないか・・・社長は、水なし印刷立ち上げの指導を公の組織の日本JWPAが行ってくれれば、端物関係で水なし印刷を導入する会社が増えるのではないかと提言してくれた。ごもっともである。
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 会話の合間も、上田社長は新人オペレータに水なし印刷を指導されていた。わずか数時間の指導で、同オペレータは、500枚の封筒を一枚のヤレを出すこともなく刷了しているではないか!湿し水の影響がないので、刷ものの濃度変化が少ない。こんなことが可能になるのだ。熟練技術者が少なくなっていく中で、新人に早く印刷に慣れて仕事を覚えてもらうには、これしかないね・・・が社長の鋭い分析である。
 『将来に向かっては、さらに飛躍しお客様の様々な『Needs』に応えていきたい。また、近隣の仕事も取り込んで、業務をもっと広げていきたい。お客様もこの大変な時代頑張っているので、私も頑張っていかなくてはならない。』と、明日を見据え力強く語ってくれた。
 入口ドア上の、「プリント ニーズ」のサインが、社長の思いを表しれくれていた。
【一口コメント】非冷却の経年歴の小型印刷機を駆使し、水なし印刷で封筒印刷をこなす、一般的には思いつかない機械の活用法である。それに、新人を仕込むにはこれに限るとは言い当てていよう。でも、そのインストラクションの仕組みを君たちがやるべきだ・・・確かに至言である。さすが「ニーズの掘り起こしをする達人」の言葉は重い。