第2期定期総会は6月8日(金) 午後2時からホテルニューオータニ大阪・アイリスの間で会員・関係者60人が集まって開催された。会長・田畠久義は創立10年を迎える年に、未曾有の大震災に見舞われたことを鑑み、低炭素化運動と共に、社会活動につながる施策をいち早く打ち出し、会員及び、会に一層の協力と取り組みを促しつつ、以下のように冒頭の挨拶として述べてくれた。
第2期となる平成23年度は、とにもかくにも震災後の混乱状態からはじまりました。しかし日本WPAとしての立ち上がりは早く、10万円の義捐金振込と、被災地域会員企業への被災状況の調査と会費減免措置、それまで好評を得ていたカーボンオフセット事業への1トンごとの義捐金の付加、NEW環境展への出展の準備などを次々と行いました。特に義捐金付きカーボンオフセットは、国内クレジットと同額の義捐金を日本WPA負担で付加させ、最終的に428トン、金額にして150万円を積み立てることが出来ました。世界環境デーでもある先日6月5日に日本赤十字社の本社に出向き、その贈呈式を行うことが出来ました。逆境を利用するというと聞こえが悪いですが、この事業を通して、復興支援とともに、地球温暖化防止と会員企業の皆様の売上向上につなげることが出来たと思います。
9月に行われたIGASでは、日本WPAブースを設け、印刷機械2台を配置した実演を行いました。特に、今回の総会セミナーでも取り上げたGenius機は、日本で初めてとなる実演公開を実施し、IGASでの大きな話題の一つとなりました。また、この時、第2回世界水なし印刷会議を開催し、ドイツ及び、イスラエルから、水なし印刷のプロを呼んで水なし印刷の実技情報交流を図りました。
カーボンオフセット事業では、PGGのクラウド化をいち早く手がけ、より使いやすくするとともに、データの正確さと最新性を担保しました。
また、昨年度はデジタル化やネットワーク化がますます普及した年でもありました。アップルが時価総額世界一となり、FacebookやTwitterなどが国の状勢をも左右するなど、目覚ましい展開を見せました。印刷物のデジタル化も脅威ではありますが、日本WPAでは、いちはやくFacebookの水なし印刷のページを立ち上げたり、インターネットを利用したPGGのクラウド化、ホームページでのWebinarの利用や会議でのスカイプの利用など、大いに活用する方向で進めています。
今後の方向性としましては、まずカーボンオフセット事業をより強化したいと思います。次のステップとなる「東日本復興支援型国内クレジット」に切り替え、既に1,000tの排出権の契約を行いました。多方面にメリットのある事業として拡販と周知に注力して参ります。また今年度は、カーボンフットプリントについても力を入れて行きます。この制度の民営化を受け、現在、産環協と、より簡単な水なし印刷をベースとしたルール作り(PCR)を画策しています。完成すれば、有料にはなりますが、カーボンオフセット同様にCFPマークが手軽に印刷物にいれられるようになり、業界に大きく先駆けてのアドバンテージとなりましょう。また水なし印刷自体の強化としては、GeniusやLEDを含め、水なしUV印刷に着眼し、高品質と環境優位性の両方を兼ね備えた印刷技術の確立を目指していきたいと思います。
実は今年は、2002年5月に発足した水なし印刷協会にとって、ちょうど10年目になります。途中、一般社団化し、名称も新たにして再設立をしましたので、表向きは2期ということで、大々的な10周年記念の式典等は考えておりませんが、リーマンショックや東日本大震災をはじめ、印刷物のデジタル化による構造不況など、まさに激動の時代を生き抜いて来たわけで、感慨深いものがあります。
是非、8年後の日本WPAの設立10周年の際は、会員企業の皆様とともに大きく成長し、日本のそしてアジアのWPAとして盛大な10周年記念式典の開催を願って止みません。