今の印刷業界には、環境に配慮した印刷物、高品質で生産性が高く、コストも意識した経営が求められています。一般社団法人日本WPAでは、水なし印刷の導入を機会に、「環境に配慮した印刷」「高品質で安定した印刷」「生産性の向上」「コスト削減」など、より高い目標を掲げ、工場の改善を目指す印刷会社様に「水なし印刷」の導入をご提案いたします。
CTPの現像工程では、有害な現像液を使用せず水現像をするため、排水は通常の下水として流すことができます。また、印刷機上においても湿し水を使用しないため、エッチ液等の有害物質を含む水は一切排出されません。したがって、産業廃棄物回収のコスト削減も期待できます。
湿し水を使用しないため、湿し水による「にじみ」がなくクリアな網点が再現されます。しかも、印刷作業の経過とともに湿し水は「安定した品質」再現において不安定要素となります。しかし、水なし印刷は、水あり印刷と比較して、台違いでも再版ものでも安定した色品質の再現を可能にします。
また、湿し水を使用しないため、水による用紙の紙伸び(ファンナウト)がなくなり見当精度が向上します。
「水を制する者は印刷を制す」と言われるほど湿し水の取り扱いは重要となりますが、水なし印刷は、その湿し水が使用されないため、印刷機のオペレーションが容易になり、本刷りまでのメイクレディも短くなります。したがって、損紙も減少し、コストが削減され、生産性も向上します。
また、水なし印刷を使用する上で、印刷機でのメリットは、水回りの設備がないため、印刷機のメンテンナスが非常に楽になる(当該保守費用がなくなる)ということがあります。
今後は、中小企業においてもCSR(企業の社会的責任)等の環境問題への対応が迫られ、「環境保護商品」がお客様からの取引条件になってくるかもしれません。前述の通り、水なし印刷は機械のメンテナンスが容易なうえに、メンテナンスがしっかりと行き届いていれば、安定した高品質を生むことが可能となります。このことは、突発的な事故を未然に防ぎ、費用においても時間においても余計なコストを削減してくれます。それは、お客様への信頼に繋がり、働く現場の自信にも繋がります。