緑色耗材大賞の賞状と盾
中国では、本年度から、国家の大方針を示す第12次5ケ年計画(十二五計画)がスタートし、 印刷業においても、印刷業十二五計画が策定された。
印刷業十二五計画の概要は、
(1)印刷大国から印刷強国への転換
(2)デジタル印刷技術及びデジタル印刷(主としてインキジェット印刷)の推進
(3)環境保護印刷の推進である。
環境保護印刷の具体的な内容は、
(1)環境保護印刷に適した印刷企業、印刷設備、印刷材料の選定
(2)3年以内に全国の中小校教科書を、全量、上記の環境保護印刷に転換
5年以内に子供向け書籍、出版物及び日常生活に密着した食品、薬品包装も環境保護印刷に転換ある。
上記の国家方針に基づき、緑色印刷企業大賞、緑色設備大賞、緑色消耗品大賞、緑色印刷物大賞、緑色個人大賞が制定された。この中で、「水なし平版」が、今回、緑色消耗品大賞(緑色耗材大賞)に選考された。消耗品大賞には、富士フイルムの現像レス版材、東洋インキの大豆油インキ、ローカル企業の無溶剤型接着剤なども選考された。
授賞式が、9月2日、北京で盛大に200名の出席者の参加の元に、開催された。授賞式に先立って、受賞関係者による9講演が実施された。緑色印刷企業として表彰された「金杯印刷」及び「LEO」が講演をし、多くの時間を「水なし印刷」の メリットである「環境保護、用紙節約、VOCの減少」について費やした。
また、緑色印刷物としては、水なし印刷の「朗文英文高級辞典」も、大賞を受賞した。当然ながら、選考を実施した中国印刷科学研究所の褚副所長からも、水なし平版の受賞理由について言及があった。 中国での環境保護印刷は、まさに始まったところであり、この5ヶ年計画で着実に前進するのは間違いない。 水なし平版にとっては、拡販の絶好の好機であり、上記の金杯印刷、LEOがその講演の中で「版材の価格差が縮まれば、 当然水なし比率を増加させる」旨の内容に一言していた。