この温度湿度条件下でVOC計測が行われた。
シンソー印刷株式会社(社長・草田俊彦氏、新宿区中落合)は本格的印刷工場の完全協業化を実施し、東京都第1号の共同工場として、昭和47年12月に誕生した会社である。会社の社屋の横には次から次へとマンションが建ち並んでしまった。印刷工場としては、環境に気を遣わざるを得ない場所になっしまったのだ。また、得意先の官公庁は環境への注文を一段とつけるようになってきた。需要家筋、立地条件を睨み、同社は平成21年年秋から水なし化へ踏み切った。踏み切る前、水ありの状態時に、工場内で発生するVOCを測定した。この値が、下の表の21.06.18計測の数字である。
1年近くになり、水なしに慣れてきたところで、そのVOCを測定してみた。その値が、22.07.23計測である。驚いたことに、胴(測定箇所)によっては、1/10以下VOC値が下がる数字が出てくれている。水ありの場合、高速性と品質性を保つには、湿し添加剤を入れざるを得ない。湿しローラーは絶えず回転していて、ここからVOCが常時発生する。これに対し、水なし印刷では湿し水が不要で、湿し添加剤などは使わなくてすみ、この部分でのVOCの発生はない。
この結果が、下の数字の差となって表れている。
水なし導入後のVOC測定風景