日本WPAは、印刷物の製作時に排出する二酸化炭素(CO2)を実質ゼロにするカーボンオフセット事業を、2009年2月21日に開始した。そして2024年3月で、事業開始からの総オフセット量が10,000トンを超えた。カーボンオフセット量は、年々増加しており、2023年度(2023年4月~2024年3月)は前年度比で1.4倍になっており、カーボンオフッセットに参加する会員数も一気に増加している。
印刷物でカーボンオフセットを採用するために、印刷物の製作時に排出するCO2量は、日本WPAが提供するソフトウエアであるPGG(Printing Goes Green)🄬で算出される。
PGGは、LCAの概念に基づき、印刷物製作時の原料(紙、インキなど)調達から廃棄・リサイクルの全工程で排出CO2を正確に算出し、同時にカーボンオフセットの申請もできるソフトウエアで、日本WPA会員は無償で利用できる。また、PGGは、水なし印刷のみならず、デジタル印刷や水あり印刷でのCO2排出量の算出、カーボンオフセットの申請にも対応をしている。
さらに、カーボンオフセットした印刷物には、水なし印刷ロゴに加え、デジタル印刷ロゴ、及び水あり印刷の場合には、PGGロゴを掲載することで、全ての印刷方式に対応し、印刷物1部当たりのCO2排出量の見える化を図っている。
カーボンオフセットを採用した印刷物を、直近のオフセット量1000トンで分類すると上図のようになる。直近1000トンのカーボンオフセットでは、企業・団体のIR関連の印刷物が安定して採用されているが、企業・団体の日常活動に関するPR関連印刷物の比率が顕著に高まっており、件数で38%、オフセット量で40%を占め、最も多い印刷物分野である。
IR関連は、件数で24%、オフセット量で17%と、2番目の比率となっている。さらには、最近は、行政(国や自治体)発行の印刷物(広報誌など)が件数で13%、大学の案内や研究成果の紹介などの教育関係の印刷物が件数で7%に増加している。その他、企業の社内報にも多く採用され、自社内で環境意識の啓発に資しており、定期刊行物、社用封筒などの事務用品などや、パッケージやラベルなどの包装用途も拡大している。