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会報

2009年05月04日

WATERLESS CUTRRENT2009年5月号を送信

今月号は、米国の印刷関係の法規制で本を出されている、フレッド・シャピロ氏の湿し水
に使われる、化学薬品についての記述がなされている。
IPAに代わる表面張力を切る代替え品を投入しても、代替え品そのものが米国の大気浄化
法に適用される物質であることが指摘されている。水なしの生産方式の環境優位性はこの面からも優位と言える。
環境利点を知っていただく
水なし印刷技術は湿しシステムと、これと関連する主要な化学物質を排除してくれる。
これらの化学物質を除去することで、より品質を上げ、そして、生産性を高め、さらに、人、環境、公衆を薬害から守る有益な印刷工程となる。
湿しシステムでは版にインクを盛る前に、水が与えられている。これは、非画像部にはインクを受けつけないように、潤し続けているからだ。非画線部での、水で濡れを良くするために、湿し液にはアルコール、グリコールまたはガムを入れて表面張力を切っている。
インキを引き付ける、受容性を持つ領域の画像部では、これら添加剤を吸収しない。
湿し液に添加する濃縮の薬液は、湿し濃縮液、湿しエッチとか、単にエッチ液と呼ばれている。
エッチ液には、通常、感度を減らすために、アラビアゴムまたは合成ゴムを含んでいる。
ゴムは酸性の条件のもとで効能が上がるので、ほとんどの湿し水は酸性(PH4-5)に調合されている。ゴムが版のアルミ酸化物の表面に反応して、つくことを思い出されたい
湿し水に含まれる化学物質には
1)版との反応を防ぐ腐食防止剤
2)pH緩衝剤、IPAとかその代替品などの湿潤剤
3)湿しシステム内でカビ、真菌類とかバクテリアの増殖を抑える防カビ剤
4)湿し水の流れを容易にする消泡剤
ある種の濃縮の薬液には水だけでなく、さらにアルコール追加する必要が生じる。
水は湿し液の主要成分である。
それは印刷機で使用される湿し液の75%から95%を占めていると言えよう。この湿し水の効能は水道水に依存する。水道水の自然なpHとは、水源から浄化時にpH調節の処置を受けている。
蒸留水とかイオン化水は、一貫した性能を保証するために使われている。
版の濡れ特性は湿し水の表面張力に依存してくれる。表面張力はゴム(表面活性剤)とアルコール(補助界面活性剤)の両方によって切れる。アルコールは、また、湿し水の粘度を増加させ、より厚い層の湿し水が版の非画像部に行き渡るのを助ける。
アルコールは水より速く気化するので、紙にはより少ない湿し水しか到達しない。アルコールは湿し水によるインキの乳化を減らしてくれる。
アルコール代替品で版を濡らすことをして、大気汚染につながる環境問題を和らげようと考える。グリコールははるかに高い沸点を持っていて、オフセット版の主流に使われているIPAより気化しにくい。
目的達成のため化学物質を排除しようとするが、この代替品は、EPA Method24試験で言う揮発性有機化合物(VOC)の範疇に分類されている。
また、エチレン・グリコールは危険な大気汚染物質(HAP)として大気浄化法では分類されている。他方、水なし印刷技術は湿し液の必要性を排除している。
つまり、紙へ画像を印刷するのに必要とする化学物質の量を減少させることにより、持続可能の概念を具体的に発展させるものだ。
公衆への影響と地理的なエコロジー規制領域を狭めてくれることになる。(米国では都市部での化学物質使用の規制強化が図られていて、オフセット印刷会社は規制のない地方部へ移動している。)
印刷会社が高い水準の印刷品質を達成し、廃棄物割合を低め、生産力を高めることを同時にこなせるのだ。水なし技術は印刷会社にウイン・ウインのビジネス関係と、コミュニティへの責任を提供してくれる。