日本WPA第6期定期総会が6月25日(水) 15:30から、広島県府中市の株式会社リョービ・広島東工場・3F会議室で会員60名が集まり開催された。冒頭、田畠久義会長は「お陰さまで会員数177社となり、中国から2社、韓国から2社、イスラエルから1社と国際的な広がりを見せるまでになってきた。また、最近では水なし印刷CO2削減計算モデル(Ver1.0) を発表し、水なし印刷はCO2削減上でも大変優位な印刷方式であることを世に訴えて行きたい。」と、力強く明言された。第6期事業報告、収支報告、第7期事業計画、第7期予算計画を審議し、原案通り満場一致で承認された。
日本WPA第6期定期総会
16:00から2班に分かれ工場見学とリョービ印刷機の実演の見学をした。 筆者は2年半前にこの工場を見学したが、組立工場はさらに1万�も拡張され、菊全多色機の製造もらくにこなせられるようになった。リョービ広島東工場は今や、菊全多色機などを含め混流で製造できる体制を作り上げていた。ここで製造される機械の8割は輸出向けで、国内向けは2割となっている。その輸出先も米国・欧州・中国だけでなく、曰く、振興国向けが伸びてきているのだ。
次いで、水なし印刷の実演を見学する。リョービ758P機では表刷り4色の後、反転がはいるが、ここで同時にUV照射がなされる。 印刷面は乾燥された状態で裏刷りに入る。このユニークな機構は世界初のものである。排紙の立ち上げ部にUVランプで照射され、両面印刷が表裏乾燥された状態で、ノンスプレーで排紙されて行く。
UVキャスチングのプロセスと効果の原理(図をクリックすると大写しできる)
次いでリョービ756 Type-E UVキャスティング装置付きを見学する。フィルムに微細彫刻された模様を型として、ニスを型(フィルム微細模様)に押しこみ、これを用紙に転写させるが、この時、フィルム背面からUV照射を当てる。すると微細模様が紙に転写され乾燥された状態で排紙部へ流せる。この原理は、表面加工業者が編み出して専用機で使われていたが、枚葉印刷機に組み込んだところに意義がある。
ホログラム発生のメカニズム(図をクリックすると大写しできる)
最後に、3404DI機を見学した。ここでは水洗浄性インキ( W2インキ)を使い、そのVOC発生量を枚葉印刷機レベルでは最低に押さえ込んでくれていた。DI機は直接描画、無現像、しかも、中間生成物がなく、廃棄材料が極小の水なしオフセットの生産方式である。製版機と印刷機が一体になった利点は、小企業社には人手をかけなくでこなせる実用機と言える。
全3台を水なし実演していただいたが、今後の大いなる参考になる実演であった。
懇親会会場風景
19:00から福山キャッスルホテルに移り、懇親会を開催した。冒頭、挨拶に立った奥継雄副会長は、洞爺湖サミットの開催時、日本WPAはバタフライロゴとW2ロゴの需要家への一層の環境貢献の認知をはかるべく、日経ビジネス誌に見開き記事体広告を掲載することを発表した。今後も、バタフライロゴを需要家筋へ一層の認知の働きかけを進めたいと意気込みを強調した。会員同士、互いの持てる情報交換と懇親に努め、21:00に散会した。