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2007年04月19日

北欧訪日水なし印刷視察団の報告書

北欧訪日水なし印刷視察団は同国の印刷界の現状を赤裸々に語ってくれた。また、体現意欲的な質問をぶつけてくれた。いか報告書を添付する。
北欧訪日水なし印刷視察団の報告
JWPA総会での北欧印刷視察団からの質問事項
1)まず、第一の質問は日本における水なし印刷のマーケット・シェアーです。オフセット印刷に占める水なし印刷は何パーセントになっていますか。また、コールドセット新聞印刷のでは水なしは何パーセントになっていますか。
ここ数年、環境への関心を契機に導入が進んでいる水なし平版ですが、西欧全体の約半分にあたる日本のオフセット版材市場全体でのシェアは、未だ5%に満たない程度です。 但し、水なし平版の特徴である枚葉両面機では、1割以上になっています。
新聞印刷への適用は過去にいくつかの試みがなされていますが、実用に至ったケースは未だありません。
2)日本には東レ版の競争製品はありますか。米国のプレステック版はいかがですか。
過去に富士フィルムがアナログ版での市場進出を図りましたが、製品の問題を解決できず量産直前で撤退しています。 このほかの水なし版はなく、プレステック版もごく一部のDI機などで使用されていますが、殆ど入っていません。 
3)欧州ではISO12647-2を目標とする標準印刷についての議論が起こっています。日本でも標準化された印刷の向けての同様な関心が起こっていますか。
4)スエーデンでは、製版・印刷、あるいはデザイン(art work)であれ、画像、ドキュメントをRGBからCMYKへ分解すべきとの議論が起きています。しかし、まだその合意ができていません。日本の状況はいかがですか。
5)分解にはICCプロファイル、または、それに代わるものを使われていますか。
6)水なし版のCTP化率はどれぐらいですか。水なしのフィルム焼き付け版の割合はどんなものですか。
日本では、特に都市部で同業者の間でのフィルムのやり取りが行われることから、CTP化は欧米に比べて遅れており、ようやく’06年にCTP化率が50%を超えたとされています。 水なし平版は、先進的な印刷会社に取り上げられることが多いためか、’05年の時点で、CTPが50%超となっており、さらに’06年には60%を超えたと思われます。
7)市場にはマルチカラー印刷方式が何種類か出ています。これらは特にパッケージングには向いていると思います。4色プロセスに2色を追加印刷すると、再現色域(ガモット)がさらに広がります。つまり、6色インキを使うと、ほとんどのpantone特色を再現できます。これを水なし、FMスクリーンで行うと大きな利点が生まれます。しかし、不思議なことに、この手法は欧州では遅々とした状態です。日本では如何ですか。この解決法に関心をお持ちでしょうか。
ダイキュア6なる6色、マルチカラー印刷法を昨年、協賛会員DICが発表した。既に30数社で試験テストをし、10社ほどで実用使用していただいている。一番成功の事例は、お茶のパッケージングの先でお茶の鮮やかなグリーン色が際立つと好評である。問題はPantone色上にもない、コーポーレートカラー、薬品会社の独自のパッケージのベタの色、ラベル関係の独特の色、これらについては6色掛け合わせでの再現の色の安定性、再現性に、特色でこなしているほうが優れているので、まだ、新方式に踏み切れていない。
水なし+FMの掛け合わせによる特色再現はこれからも継続して取り組むべき課題と理解している。
8)日本でのデジタル印刷の進行状況はどんな具合ですか。
9)地球温暖化現象が見える形になってきた今、環境問題は欧州でも議論されています。これは日本でも同じですか。環境問題が故、水を使わない、アルコールを使わないという点で、水なし印刷に拍車がかかってくるのではありませんか。
その通りです。