?文星閣は昨年1月に東京都のVOCアドバイザー制度にのっとり、都の係官に出向いていただき、工場内のVOC計測を実施した。その結果、大変興味ある事象を見つけだすことができた。
「使用されている、材料等を単体で計測すると、インキで100?150ppm、IPAで1000?10000ppm、洗い油で500?4000ppmと場所と容器の大きさにより異なった。印刷工場内での、揮発性物質の充満している発生源要素の1位は洗い油、2位はIPA、?位はインキという結果であった。(洗浄時や印刷時、場所により異なる) しかも、ほとんどが洗い油とIPAが占めていて、我々はこの点の対策を考えるべきである。
また、気づいた点としては、IPAの代替の新製品・H液そのものからも強いVOCが計測され、印刷工場内でトータルVOCを削減できるのは、水なし印刷方式に限られると言う事実に東京都の職員の方々も目を見張ってくれた。
また、W2インキ+新中性洗浄液でのローラー洗浄と通常のインキ+洗い油でのローラー洗浄を比較するとW2洗浄時が195ppm以下に対して洗い油洗浄時は300?800ppmという、予想通り、洗い油洗浄では、高濃度のVOCを発生させていた。最高値で換算すると水なし印刷では25%未満に押さえることができるのだ。」
今回、2007年2月23日(金)も昨年同様の個所でVOC計測を行った。その結果、特筆すべき改善点が見られた。
?作業者は廃ウエス缶には徹底して、蓋をすることを履行した結果、工場内でのVOC発生量を大幅に削減することができた。
?水あり機でも低VOC発生のエッチ液に変えた結果、VOC放散量はUD?1号UV機では第5ユニット湿し水皿の上で、662から329へと下げることができた。デリバリー前でも290から68へ、3F中央部でも200から51へと下がってくれた。
?D-2号水あり機でも第1ユニット湿し水皿の上で、923から292へと下がってくれた。
?水なし機では湿し水がないので、VOC発生量は低くなる。F-3菊全5色機でユニット間の値は27、SP号菊全両面4色機(水なし)で34?34、A-2号アキヤマ菊全両面4色機(水なし)で31、BS-1号菊全両面6色機(水なし)で30?35という値ではないか。これは水あり機から見ると1/10の放散量にすぎない値である。
?目下、水洗浄性インキ(W2インキ)の実用テストを数社で行っているが、W2のVOC放散量をぜひ計測してみたい。
廃ウエス缶には徹底して蓋をすることを履行する。
これで室内のVOC発生量を低減できた。