日本WPAは、地産地消クレジットとして、滋賀県の造林公社が創出した「びわ湖カーボンクレジット」を活用したカーボンオフセットを開始した。印刷物の製作で排出されるCO₂を「びわ湖カーボンクレジット」を用いてカーボンオフセットすることにより、「2050年、しがCO₂ネットゼロ社会」の実現に貢献している。
11月27日、滋賀県甲賀市の「鹿深(カフカ)夢の森」の特設会場で、「びわ湖カーボンクレジットの取り組み推進に係るお礼状贈呈式」が開催された。日本WPA会長の代理で大森七幸理事(アインズ株式会社社長)に、滋賀県の三日月大造知事から感謝状が贈呈された。感謝状は、日本WPA以外に滋賀県信用保証協会、滋賀銀行などを5団体、企業が受賞。今回の贈呈式は、令和4年6月に滋賀県で開催される「第72回全国植樹祭カウントダウン」イベントの一環として開催された。
三日月滋賀県知事(左)から感謝状を受け取る大森理事(右)
びわ湖カーボンクレジット」は、森林吸収系のJ-クレジットである。森林吸収系J-クレジットとは、間伐、下草刈り、植林など、森林の適切な管理を行うことによるCO2吸収量をクレジットとして国が認証したもの。森林吸収系のJ-クレジットを活用してのカーボンオフセットは、森林によるCO₂の吸収量を増加させて、地球温暖化防止対策となり、かつ、森林系吸収J-クレジットの売却資金でが、森林の適切な継続的な管理を促進させることにつながります。
今回活用を開始した「びわ湖カーボンクレジット」は、滋賀、京都、大阪、兵庫に飲み水を供給する淀川水域の水源である琵琶湖、及びその源の滋賀県造林公社が所有する森林のさらなる整備に貢献します。本クレジットが、印刷物製作者(発注者)により購入されることで、資金が循環することになり、森林の保全、自然災害の防止、獣害への対策、林業の活性化などにも貢献できることになります。また、日本WPAが推進する「印刷から始める脱炭素」活動の一環でもあります。
滋賀県は、「母なるびわ湖」が県の中央に位置し、周囲は山に囲まれ、山に守られている県ともいえる。森、川、里、びわ湖が有機的につながっており、森の保全、びわ湖の水の浄化など、環境に 滋賀県知事からの感謝状
対する意識が非常に高いことで知られている。
一例として、小学校4年生には「やまのこ」と称する森林環境教育を、小学5年生には、「うみのこ」と称する学習船に乗船宿泊しての「うみのこ」環境研修が実施されている。
(右から三日月大造滋賀県知事、大森七幸日本WPA理事・アインズ株式会社社長、小川日本WPA事務局長)
滋賀県はもとより、全国では、2050年のカーボンゼロが、479自治体で宣言され、カバー人口は1億1177人となっている。滋賀県のみにとどまらず、他の自治体もカーボンクレジット(J-クレジット)の創出、活用に取り組んでいる。今回の滋賀県での取り組みを全国規模で展開し、脱炭素社会実現に貢献していきたい。
学習船「うみのこ」 全国植樹祭しがPR大使「うぉーたん」との記念写真