日本WPAは、Webセミナー第2弾として、11月12日、「サーキュラー・エコノミーへの取り組み」をテーマに開催した。
Youtubeライブによる配信で開催された今回のセミナーは、一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)の壁谷武久専務理事を講師に招いて行われた。
(サステナブル経営推進機構:壁谷専務理事の講演)
このセミナーでは、作って捨てるリニアエコノミー(直線型経済)から、SDGs目標の実現のための経済システムでもある「サーキュラー・エコノミー」への転換が始まっていることがわかりやすく解説された。
サーキュラー・エコノミー(循環型経済)とは、現状の経済活動(リニアエコノミー:直線型経済)が生み出す、資源枯渇、気候変動、海洋プラスチックごみ問題などを解決し、持続可能な社会を実現する経済システムのこと。
日本でこれまで進められてきた3Rの「リサイクル・エコノミー」は、廃棄物を有用性に応じて資源循環し、ほかは適正な廃棄処理を行うことで資源消費の抑制、環境負荷の低減を目指すものだが、「サーキュラー・エコノミー」はこれとは異なり、まずは廃棄物と汚染物を発生させないことが前提になる。
1度採取した資源を利用して「作って、使い、また作り続ける」という、製品や資源の閉じた円状(サーキュラー)の循環を永続化する、新たな経済性をもたらすビジネスモデル創出を促す産業政策となる。
さらに、「サーキュラー・エコノミー」を特徴づけているのが、再生可能エネルギーに依存した経済システムであることで、これは必然的に「グリーン・エコノミー」につながる。
気候変動が、世界のグローバルリスクのトップと認識されている中で、日本でも、地球温暖化ガス排出を2050年に実質ゼロにする方針が示された。欧州機構(EU)では、2019年には「2050年排出量ゼロプロジェクト」が開始されており、かつての環境先進国の日本の評価は揺らいでいる。
欧米の企業では、既に気候変動リスク回避のために様々な活動をしており、また、金融業界でも、気候変動リスク回避に向けて、ESG投資へと向かっている。SDGs目標達成のためにも、「サーキュラー・エコノミー」は、今後とも追及し続けなければならない。
喫緊の世界の環境問題の潮流が、このコロナ禍で状況がどう変わるのか、企業経営にどう生かしていくのか、それを勉強するために、今回のテーマ「サーキュラー・エコノミー」が取り組みのヒントになることを期待している。