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2018年06月11日

全台LED-UV印刷導入の先進性—キング印刷(株)

日本WPA第8期定期総会の開催に合わせて5台の印刷機全台のLED-UV印刷で運用するキング印刷(株)の工場見学会を開催した。
(伊東社長:キング印刷)
p.ito.jpgのサムネール画像のサムネール画像のサムネール画像キング印刷(株)は、1958年に創業し、福島県を中心に事務用印刷、商業印刷で成長してきた会社であるが、主力の年賀状印刷も減少する中、2011年には東日本大震災と原発事故に遭遇し、決断を迫られることになった。
そして、塵一つない、全く臭いのない、社員が生き生きと働く工場へと生まれ変わったのである。
以下に過去の掲載した記事を再掲載する。
「生き残りのために何をするか?悩みに悩んだ」伊東社長の出した結論は、(1)パッケージ印刷周辺の小ロット印刷に焦点を当て、パッケージ印刷会社を顧客とする。(2)自分で考えてる行動する社員の育成し、社員の力を向上させる。(3)「環境対応」をキング印刷のブランドとし、生産現場の改善と顧客への環境価値の提供であった。
これらの方針を実現するため、所有していた15台の印刷機を5台の印刷機に更新・集約し、全てLED-UV仕様で運用している。king1.jpgのサムネール画像のサムネール画像
水なしLED-UV印刷は、KOMORI菊半裁機で2017年8月からテストを開始後水なし印刷専用機化し、ハイデルベルグ菊全機、及びRMGTA3縦通し機へと展開している。ハイデル菊全機では、菊版28Kgの薄紙を、一発見当で16,500sphで印刷できた実績もあるとのこと。
king12 (2).jpgのサムネール画像水なしLED-UV印刷技術をものにするまでには、数多くの不具合が発生した。エッジピッキング、モットリング、乾燥不良、ヒゲ、おばけ、地汚れ、擦れなどの発生した全ての不具合は,印刷物の現物が残され、原因と対策がデータベース化されている。伊東社長の唱える「成長するオペレーター」の実力を垣間見ることができる。
今後も「環境」をキーワードに、バタフライマークという付加価値を有効に活用し、価格ではないセールスを推進していく。「印刷物の付加価値は、会社の品質」との信念のもと、オープンな工場として、自社技術を公開し、常に探求心を持って技術改革を行い、社内変化を促していく。そして最後に、「水なし印刷導入の秘訣」は、社長の決断にかかっているとのことであった