当センターのグラフィック印刷科は、年2回(4月、10月入校)のサイクルで6か月間職業転換のための訓練や、新社会人への印刷技術指導を実施している都内で唯一の教育訓練機関である。
9月5日、今期(2017年4月〜9月)訓練生に向けた、「水なし印刷講習及び実習」が、当センター木村指導員と日本WPA佐藤部長の指導の下で開催された。
木村指導員作成カリキュラムには、半期ごと訓練最終月に「水なし印刷学習日」を組み入れていただき、大変感謝する次第である。
午前中、佐藤部長が水なし印刷をより深く理解してもらうため、教室にて座学を実施。午後、木村指導員とともに実機による印刷実習を行った。今回実習に使用された印刷機は、ハイデルベルグのSM74-4(ローパイル仕様)。訓練生にとっては、普段からの実習で使い慣れている機械であり何の違和感もなく実習に取り組みことができた。
訓練生たちは、事前準備された水なし版の取り付けからインキの準備、見当合わせそして色調調整までを体験することに。印刷機の水なし印刷対応への切り替えは、タッチパネル上での湿し水回路のオフへの切り替えと、ローラ通水バルブへの切り替え操作を実施。特別な準備無しに、水なし印刷を行うことができることに訓練生たちは、一様に驚いた様子。そして各人印刷物をルーペで覗き、網点の輪郭や見当精度について品質の高さを実感した。
(印刷機の温度測定をする訓練生)
後片付けの際訓練生から「湿し水ローラの処理をしま〜す」との掛け声に、「水なし印刷ですよ・・・」と返答。帰ってきた言葉が、「あっ楽だね、早く終わるね」。そう、手間のかかる作業は不要なのです。
まもなく、半年間の技術指導を受けた訓練生たちは、当センター訓練課程を修了し印刷業界に就職していく。人手不足の印刷業界でこの貴重な経験や学んだ知識を生かし、大きく育ち、そして大いに活躍してほしいものである。
(東京都立中央・城北職業能力開発センターの詳細は ⇒ http://www.hataraku.metro.tokyo.jp/vsdc/chuo/ )