6月16日、日本WPAは、第7期定期総会を、昨年の4月に発生した熊本地震の爪痕が、いまだに残る熊本県にて開催した。
総会に併せて敷島印刷株式会社(熊本県宇城市:敷島武法社長)の工場見学会と、印刷通販大手のプリントネット株式会社(鹿児島市)の小田原洋一社長を講師に招いての講演会を開催した。
見学会、講演会には熊本県印刷工業組合の協力も得て、熊本県、福岡県からも多数の参加があり、60余名の大盛況であった。
熊本県印刷工業組合の藤井直樹理事長からは、総会、工場見学会、講演会を熊本県で開催したことに対し、講演会後の懇親会の席上にて、謝意が述べられた。
(日本WPA 田畠久義会長)
第7期定期総会では、冒頭に田畠会長より、小川勇造新事務局長体制に代わり、多くの団体が会員減に苦しむ中、日本WPAの会員数が増加に転じていること触れ、水なしLED-UV印刷の新規採用や、印刷機のリノベーションによる経営効率の改善などの実績が出ており、これらの実績が会員増につながっているとの報告があった。
第8期は、植物油インキに比べてより環境性能に優位性のある省電力UV印刷用のNONVOCのロゴの提案があり、業界統一マークとして推進する決意が述べられた。
更には、2012年に開始したカーボンオフセット事業は、総オフセット量が間もなく5,000トンに達することに触れ、日本WPAの先進的で、継続的で、着実な「環境保全印刷」事業を更に推し進める決意も示された。
総会に提案された第7期の事業・決算報告、第8期の事業計画。予算は満場一致で可決された。詳細は、(一社)日本WPA第7期総会報告をご覧いただきたい。
総会に先立って、敷島印刷(株)の工場見学会を開催した。敷島印刷(株)は、熊本地震で多大な被害を被りながら敷島社長を先頭に、「奇跡の復活」を会社スローガンにして、全社員が「現場力」を結集して見事に復興を成し遂げられた。
(会社スローガンと従業員の決意を表す写真入り「現場力」のポスター)
敷島印刷(株)では、就労継続支援A事業所「かけはし」も運営されており、この事業所の就労者の皆さんの印刷現場での真面目で丁寧な働きぶりに感心した次第である。
(プリントネット(株)小田原社長)
総会後に、「中小印刷会社の生き残り方」の演題のもとに、プリントネット(株)の小田原社長の講演会を開催した。予定時間を超え、一時間以上の熱のこもった、時には、プライベートな話題に触れながら、ユーモアを交えた本音の講演であった。講演会参加者の誰もが、自社の状況に照らし、大いなる指針やヒントを得たと絶賛していた。
プリントネット(株)は、2005年に印刷通販事業を興し、目標とした「業界のリーディングカンパニー」にまで、成長させた小田原社長の経営手腕、理念を、直接聞くことができる貴重な講演会であった。
プリントネット(株)は、東京西工場で水なし印刷を採用しており、4色機1台で5600版/月を記録したこともあるとの説明もあった。