キング印刷株式会社(福島市:伊東邦彦社長:http://www.king-p.co.jp/)の5台のオフセット印刷機は、全機種LED-UV印刷を採用している。菊全機、菊半裁機、菊四裁機全てである。オフセット印刷機の多様な機種に加え、デジタル印刷機もトナー方式、インキジェット方式など4台を保有していることからも、キング印刷(株)の幅広い事業展開が伺える。
東北大震災で、建物、機械に壊滅的な打撃を受けられ、そして社長はじめ従業員の方々が被られた痛手には、非被災者にとっては想像だに出来ない。
キング印刷(株)の企業理念は「笑う 夢を追う」、そして経営理念は「誠意と成長」である。この理念は、全て「人を育てる」が基本になっている。大震災後を契機として、15台の印刷機を廃棄し、新設5台の印刷機で全台のLED-UV印刷化に挑戦し、再出発に至ったのも、3年以内の経験しかないオペレーターの「人の力」だと、伊東社長は力説される。
(全台LED-UV印刷採用で全く粉のない清潔な工場風景)
キング印刷(株)で、他社にはない特徴が数々ある。
1.昨今盛んに「働き方改革」が叫ばれているが、既に印刷部門においては、「残業ゼロ」を達成している。
2.LED-UV印刷のおかげで、ゴミ一つ落ちていても気になるくらい清潔な工場で、5Sを叫ばなくてもその清潔さは保たれている。
3.印刷機と印刷機の間にオフラインの枚葉印刷検査装置があり、印刷機のそばには製本機が並んでいる。印刷、製本の両領域にまたがるマルチオペレーター化を進めている。
4.ロット100枚でも、デジタルではなくオフセット印刷をする。
5.褒めることから「人」を育てる、数値の見える化によりコストダウンは現場が自ら実行する。等々
(水なしLED-UV印刷機,、KOMORI GL-426)
水なしLED-UV印刷は、「未知への挑戦」として取り組んでいる。まだ3年以内で成長途上のオペレーターを、湿し水調整という職人技から解放し、メンテナンス向上を狙うことがきっかけではあったが、その見当精度の良さからの歩留まりの向上や、更なる予備紙の削減などを目標にしている。
水なし印刷の採用により、自らの環境保全の活動のみならず、クライアントの活動を助ける「環境印刷宣言」を遂行している。