(株)富士美術(大阪市東成区)は、小柳社長が1980年(昭和55年)に創業し、24時間365日のスローガンのもとに操業しているが、一方「進化を続ける富士美術」の理念のもとに、一貫して他社には容易にまねのできない製品を数々創出してきた歴史がある。
その代表例して、ストーンペーパー(石灰岩を主原料にした用紙)印刷の実用化、セフィオン加工(抗菌印刷加工)の実用化、メガネやフィルター無しでも見える3D印刷の実用化などがあり、業界に先駆けた製品群が、小柳社長の先進性、革新性を象徴している。
水なしLED-UV印刷の菊全機での本格採用も、社長の先進性そのものである。
ストーンペーパーは、製造工程で廃水排水もなく、森林資源も必要とせず、一般ごみとして処理できる環境負荷を減らせる用紙ではあるが、当初は全く印刷適性が無かったとのこと。
環境負荷削減を社会的責任として取り組み、現在のどのような印刷にも耐えうる適性にまで進歩させたのは小柳社長の努力のたまものである。水なし印刷の全面採用もこの延長線にあると言える。
ショールームではストーンペーパー製品を中心に展示
抗菌加工印刷も、抗菌作用のある機能素材をイオン化し、インキとの親和性を保ち、抗菌が必要なパッケージや包装紙や、院内感染を予防する医療現場や、シックハウス対策用の建材などの幅広く採用されている。
他社にない特色ある製品を生み出してきた原点は、「社長は現場を知らなければならない」との信念である。研ぎ澄まされた現場感覚から更なる新製品の創出がされることは、疑いようがないと思われた。
ストーンペーパーによる印刷製品群