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2016年06月07日

中小印刷業者の目から見たdrupa2016(5)

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中央の広場から見た広大な会場風景
デジタル化の流れの中にあるが、既存のアナログ印刷機の高度化、利便性向上を目指す、リノベーションの動きがdrupaで見られた。そのキープレーヤーに日本のメーカーが随所に関与してくれている。
 T&K TOKAはパウダーフリーインキ、「きれいなインキ」を欧州で発表したが、はや、一定の反響が起きていた。drupaの前にスペインのある印刷会社で導入テストをされ、その成果印刷物を会場に持ち込まれていた。棒積みにした印刷面を来場者に触ってもらい、パウダーのない手触り感を確かめてもらっていた。水なし印刷にはこのインキは特に有効で、インキの中の樹脂の改良の結果、高温耐性が付与され地汚れがおきにくくなる一方、艶も5ポイントほど向上してくれている。
 コスモテックは湿し水の活性化を図り、薄い水膜で水を絞った印刷ができる湿し水冷却循環装置Top-one CF502を欧州で初発表していた。京都のある印刷会社での年間のインキ代分析で15%の節約ができたことを前面に出していた。循環水を光触媒と磁性体の中をくぐらせ水の表面張力を切ってくれる斬新な機構のものである。
 LED-UVランプメーカーのAMS社はmulti-wave UV灯を発表していた。これにより既存のUVインキを少し手直ししてLED-UVランプで印刷できる道筋をつけようとしている。近年、電気代の高騰でUV印刷業者にとってその負担感を軽減したいニーズがあり、これに応えようとの姿勢である。今あるLED-UVインキは品種が少なく、特殊原反では実際上は使えない嫌いがあったが、この問題解決を図ろうとしている。
 プレステック社は水だけで現像できる水なしZahara版を欧米では一定量の販売をしている。この度、親会社AIP社の意向を受け、兄弟の関係にあるGOSS社とより深い関係を再構築し、新聞輪転機の改造施工(リノベーション)を通してZahara版を世界規模で拡販する施策を打ち出している。GOSS社の新聞輪転機の事業が縮小する中で、機械会社が既存機のリノベーション事業に手を染め、水なし版の販売につなげて新たな成長を図ろうとするものである。
 リノベーションは一定のキーワードになってきつつある。
引き続きdrupa2016(6)レポートへ飛びます。