IGAS2015では最大ブースのKOMORIが3号館、デジタル印刷機の雄・HPが4号館に構え、一頃前の最大ブースを誇ったH社の影が薄くなってしまった。H社はレトロのプラテン機1台を展示するに留まってしまった。
今年は補助金効果があって、近年になく重量印刷機はそれなりに売れている。しかし、日本HPは自らのネットワーク、Dscoopとの連携出品で、出品規模第2位のブースを占め、見ごたえのあるプレゼンテーションをかけていた。デジタル印刷機では日本でも浸透し出している。
こんな中で一つの流れとして、「リノベーション」が各所で見え出してきた。
一頃前までは、印刷機は経年化してくると、複数機を出して高性能機1台を入れる、入れ替えが当たり前であった。が、今日では、機械の延命を図ってできるだけ長く使おうとする考えになってきた。先が見えにくい時代下での企業の生きる知恵なのだ。
ただし、経年劣化機そのままでは生産性が上がらないので、新しい仕組みを機械に組み入れ、経年機の再生をはかろとすることを「リノベーション」と呼ぶ。
その具体的なリノベーションは以下の内容で出品され、受けているではないか。
�東レ(株)−(一社日本WPA) 水ありから水なしへの版式転換。特に、2階建ての両面機ではファンアウトの抑止が引き出せ、機械寿命を格段に延ばすことができる。
【ファビオ】水なし印刷技術採用で課題を克服した「J-Print」(菊全判両面8色機)
�AJC(株) 既設の機械にLED-UVランプを取り付け、速乾印刷に転換。
�三菱重工印刷紙工機械 「きらりん」三菱オフ輪機を再生して使うサービス。
�アイマー・プランニング(株) J-Colorシステム。分割呼び出しローラーによる後付インキ制御システム。
�(株)コスモテック ケミカルフリー型湿し水冷却循環装置。
これらの商品と仕組みは、後付して機械の高性能化をはかろうとのするもので、IGAS2015では隠れたる人気を呼んでいた。