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2015年09月01日

グリーン購入の特定調達品目に関する提案のヒアリング

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環境省会議室でのヒヤリングで説明する我が事務局長
 9月1日、環境省の会議室で、グリーン購入法に基づく特定調達品目に係わる提案募集のヒアリングが実施された。これは役務・印刷の分野に絞られたもので、大日本印刷(株)(DNP)、(一社)日本WPA(JWPA)が役務・印刷の実施要綱にカーボンフットプリント(CFP)を遡上に乗せる提案応募をしていたが、そのヒアリングが開催された。この両者に(一社)産業環境管理協会(JEMAI)が加わってくれた。JEMAIの神崎様、片岡様は、CFPの諸外国での先進的な実施事例、さらに、印刷メディアの特性から、また、CFPの取り組み状況からして印刷物の実績はCFP普及の鍵の一端を担っていると強調された。
 DNPの中村様は、CFPの印刷PCRの簡素化計画・運用を図られた立役者で、CFPを通して、具体的にCO2量が見える化される効果とインパクトを説かれた。簡素化を通し、業界内でのCFP運用が一段と高まるとも強調された。
 我がJWPAからは、五百旗頭と佐藤が出席し、水なし印刷PCRでシステム認証を取得し、組織内で検証員を抱え、検証までの運用ができるようになり、検証の費用的、日数的な問題を克服できたこと、これにより、名刺とかはがきとかの日用品印刷までCFPロゴを付けられるようになった点を強調した。
 同時に、役務・印刷は紙とかインキの印刷材料での環境配慮を実施要綱でうたわれているものの、民間の感覚からすると、印刷材料の高度化がはかられている今や、これらは当たり前との受け止め方がされている。
 よって、地球温暖化防止に視点をあわせた、CFPの導入などのより高度化された施策の導入をぜひ、考えていただきたいと訴えた。1時間あまりのヒヤリングが終わり、12月末には結論が出されるとされた。
 何とか我々の提案を聞き入れられていただきたい思いでいる。
以下は私見であるが、実務担当者としての感想を抱いた。
 グリーン購入のプレミアム基準策定ガイドラインが発表されて数年は経つ。これには素晴らしい内容が織り込まれているものの、実際の実施要綱には遅々として反映されていない。今年はパリCOP21が開催され、わが国も削減目標26%減を掲げて地球温暖化防止への折衝に臨むわけであるが、末端の日々の公知で一番手っ取り早いのが、印刷メディアの余白を活用したカーボンフットプリントの表示と啓蒙であろう。そもそも国の施策として打ち出されたCFPではあるが、鶏か、卵かの議論に巻き込まれ、結果として、CFPは置いときぼりにされてしまっているのが残念でならない。
 ICT化の波は印刷界にも押し寄せ、今や、業界では印刷ネット通販が大きな力をつけてきつつある。今は国内勢のネット通販業者のせめぎあいの中にあるが、いずれかは欧州と同じように、これも国際化の波に飲まれてゆくものとなろう。すると、中小企業の印刷ものづくりが、もぬけの殻にもなりかねない。これには産業構造の高度化で対処すべきで、まさに、CFPを背負ってCFP啓蒙の先兵に立つ意気込みを我が印刷人は持つべきでなのであろう。その呼び水に是非していただきたい一つの施策が、グリーン調達でのCFPの取り上げではなかろうか。