米国フロリダ州・ペンブロークパインズにあるショッピングセンターのJC・ペニー店はかって1000ページもの厚さのカタログを配布していたが、5年前にネットに置き換えられたものの、この度、薄いながらもカタログ路線に復帰し出した。
同社は2009年、思い切って1000ページの印刷カタログの廃刊を打ち出し、その後も、特別カタログの段階的な廃止路線を歩んできた。
ところが、今年始めの同社の新聞記者発表では「家庭商品については、消費者の印刷カタログの読書習性を無視できず、形を変えた印刷カタログの再採用に踏み切る。」とした。「これはとりもなおさず、オムニチャンネルの一貫である。消費者はカタログで目に留め、ネットへ来るか、店舗に来るかして購買につなげてくれる。」「オムニチャンネルに沿う形のカタログと言う位置づけになる。」
新しいカタログは3月には顧客に発送され出した。
米国ダイレクトマーケティング協会の調べでは2013年のカタログ出荷高は119億ドル超えとなり、2006年からの減少傾向から始めて対前年上昇となった。小売店はカタログには背中を押す効果があるとして、見直してくれている。
北米での最大のオンラインカタログ・データーベースのMediaFinder.comのTrish Hagoodは「デジタル時代が進行すると、カタログのモノとしての一覧整理提示の必要性が見直されよう。」と言う。「JC・ペニーのネットサイトは肥大化し、雑多となってモノが分かりにくくなり、必要物が見つけ難い。印刷物はその煩雑さをすり抜けてくれるものとなる。」
とは言っても、かってのカタログでなく、抑制された形でのカタログの必要性は見直されてきているのだ。