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2014年09月21日

空撮で勝負、シミュレーターで勝負

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10月2日・3日と、2日続けて東京で講演してくれる、ジョー・ウェブ博士はこの5月、webを通して印刷会社経営者からアンケートを取った。印刷の売上が低減する中でどのような新規事業にチャレンジするか、との問いに対し、実に多様な返答が寄せられた。印刷会社の生き延びる先の姿は多様なものになりそうだ。
 今の世の中を観察していると、何だか、印刷業のビジネスモデルなるものはあるようでなくなってしまい、個企業の独創力こそが新しい事業の核になる気がしてならない。無論、印刷会社であるゆえ、印刷が本来の事業核で、これに付加する新しい事業核を何を据えるか、これは個企業が自分の歴史、立場、環境を基に編み出すものであろう。かってのように他社の猿真似では逆に競争激化につながり、自分の首を絞めてしまおう。
 ある地方で情報出版をされている印刷会社A社はこの度、高性能のマルチコプター空撮機を導入され、この夏場の快晴時を活用し、地域一円の風景空撮に精を出された。そのための自動車の総走行距離は1000Kmを越されたと言う。有名観光地、名勝を空撮し、アーカイブをしっかりと溜め込まれたのだ。空撮による静止画・動画アーカーブは希少価値があり、多様な面での利用を見込んでのことである。
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 ところが、至近地域の別の印刷会社B社は、別の手立てを考案され、その事業化にまっしぐらである。ゴルフシミュレーターを設備した、アミューズメント会議室を駅の至近距離のビルに設置される。昔と違い、飲酒接待はしにくくなってきたし、特に顧客の若い方は飲酒接待に馴染まれない。そこで、実ゴルフコースが再現されるゴルフシミュレーターでの歓談親交の仕組みを考え出した。この地区では冬場はゴルフ場はクローズとなり、ゴルフもできないのでその穴埋めにもなる。
 単に自社の顧客を呼ぶだけでなく、顧客の顧客を呼ぶというから今までにない発想で素晴らしい。良い印刷物を創り上げるには、これぐらいの手間をかけてコミュニケーションを深めてゆく、これでこそ、一段と内容の濃くなった印刷物を生み出すものとなろう。
 印刷業の守備範囲は広く、多様な業種、業容の方とのお付き合いがある。成熟化社会での営業アプローチも変質が求められてくるようだ。