今年も恒例のNew環境展2013が開催された。2年前の震災時は出品キャンセルも出て、コマ数も入場者数も減じたもののやや盛り返してきた感じの展示会と見受けた。展示会そのものは消費者からの取捨選択がかけられていて、勢いのある展示会だけは伸びている。
印刷界の会社も、一頃は環境面に目を向け意欲的な出品を重ねられたが、ここでは印刷界からの出品者数は減ってきている。印刷人が別の方面への興味を示しているとも受け止められる。
こんな中で日本WPAは水なし印刷の環境での優位性を愚直にエンドユーザー、一般消費者にこのような機会を通し主張し続けてきた。粘り勝ち戦法を我々は固守してきたのだ。東館に入る動く歩道の日本WPAの広告看板は今年は、前から2番目においていただけるようになった。比重の下がっている紙爆弾のパンフレット類にも、バタフライロゴは高い順位で付けてもらっている。目移りの激しい消費者に訴求するには、愚直が正しいのかもしれない。
展示会では出展者は常に新しい価値提案をし続けて行く宿命につきまとう。印刷界の中でも「NEW水溶性廃液処理装置(減圧蒸留方式)」を打ち出し、現像廃液だけなく、水性塗料廃液などで使えると意欲的な出品をされているK社があった。K社はChina Printでもいい場所を確保して出品してくれたが、これはどの日本メーカよりもいち早く中国に出てモノ作りに励んだ成果であろう。
京都のS社が大変、斬新はVOC吸着循環装置をパネル展示してくれていた。秋のJGAS展では印刷機に取り付いた形での実演が見られるかもしれない。一昨年、胆管がん問題が露呈されてから、業界の関心は一気にVOCに向いたが、その対応のために打ち出された新製品であろう。
本展示会で感心した出品が環境商社O社と環境中古機整備のT社とのジョイントブースであった。O社はプラスチック廃材の買取商社であるが、安価な中国製破砕機、ギロチンを輸入し国内販売に手を出し始める。この時、T社と組んで破砕機の不備な面の手直しをして市場に出すようにした。案の定、安くて性能の上がっている機械と見直され、結構、世に出だしている。中国製オリジナルではチューブとか、モーターが柔で機械屋の目から見ての不備面があるが、ここに一種のオーバーホールをかけて出荷してくれているのだ。新台をオーバーホール? 前代未聞の話である。でも、これで新しい価値をつけてくれているのだ。
成熟化社会でこのように常識外の知恵を働かせた、行動人が登場してくれる・・・New環境展にはまさに勢いがあるのだ。