ヨーロッパでの水なし新聞印刷の評価は、小部数下での生産性の高さ、さらに品質と環境性能の高さを得て、非常に高いものがある。
ヨーロッパでは新聞社が水なし印刷を採用して、大変高い評価を産んでいる。
フライブルガー印刷に驚嘆の声が発せられる
フライブルガー印刷社はヨーロッパの新聞印刷技術を牽引する会社である。2006年、2008年と2010年の受賞に続いて2012年も4度目の、印刷・メディア協会からその年の最優秀新聞印刷賞を獲得した。今回は、KBAコルチナ水なし輪転機に東レ水なし版を装填し、Rene Staud photo agencyの協力を得て、ニスコーティングを行ったが、審査員たちを驚かす出来栄えだった。
別の部門の受賞候補者、コンスタンツ印刷はコルチナの使用者であるが、同社の印刷物もエネルギー、紙、化学材を節減していると高い評価を受けた。同社も最初の受賞でなく、今回は印刷革新スター賞2012第2位を獲得した。審査員評としては「高い技術要素を組み合わせて、コンセプトの完璧な再現」を図り、時代の様相を打ち出しているとした。
審査委員長・マイケル・シェーファーは「革新的なコルチナ輪転機を駆使し、�消費者への高い評価の印刷物を�効率化と�グリーン化を併せ持たせて作り込む、この3視点アプローチ」を評価していた。
ヨーロッパ新聞賞
第14回ヨーロッパ印刷全国紙賞の第1位はベルギーのDe Tijd紙、第2位はオランダのThouw紙が獲得した。両紙ともEco Print Centerで水なし輪転機で印刷されている。
De Tijd紙は2010年の発行数36,000部から2012年には39,000部に躍進させたオランダ語のビジネス新聞である。同紙は2012年3月にベルリン判(315 mm×470 mm)に変えて成功した。105,000部を発行するThouw紙はタブロイド判で数册の折込紙が折り込まれている。この授賞式は2013年3月にウィーンでのヨーロッパ新聞で行われる。
ヨーロッパ新聞業界へ喝采
東レインターナショナルの印刷化成品担当マネージャーの石井潤一氏は「素晴らしいKBAコルチナ輪転機に東レ水なし版技術を採用した組み合わせで高い品質の新聞印刷を達成しているのは大変喜ばしい。お陰様で欧州で幅広くこの方式が定着してきた。湿し水にある化学材もなくせ、これほどの受賞に認められた環境対応した上に、その生産性も周知の通りとなってきた。」さらに、「このユニークな生産方式で品質改善が図られた結果、編集者のご注目をいただき、画像とかグラフィックスをもっと盛り込んだ、見やすい新聞紙面にまでになってきている。」と、語ってくれた。