あの大震災後、印刷人も単に自分の商売だけのことでなく、社会貢献を意識した行動が出てきている。成熟化社会では市民、消費者から愛され、心地よく受け入れてもらえる素地がないと、商品は売れなくなってきている。では、印刷物を生かした社会的活動はできないものだろうか。
従来から、環境を意識し、自選の環境提案を重ねる向きは多々あったが、やはり、誰からも受け入れられるのは公に認知されているスキームのもとで、公正・客観的な訴求を重ねることではなかろうか。
CFPコミュニケーションプログラムは、経済産業省が管轄し、3年間の試行期間を経て4月から民官へ移管された。その途端、活動は民間人の意識を取り入れたものとなり、中小印刷業者がこなしにくいPCRを実情にフィットした形の我々の申請を議論の末、受け入れていただいた。これは原料調達から破棄・リサイクルまで一気通貫になった中間材ではない、水なし印刷PCRとしての認定が下った。これをもとに、CFPを中小印刷業者でこなせる道が開けてきた。
印刷物は短納期、仕様変更、異仕様の製品で、自社内に認証を取り込んだ形が理想で、実際の商売でも、この形でないと機能しないものだ。凸版印刷が取得したシステム認証は、印刷人を大変勇気づけてくれるもので、また、民官に移管後の第1号とは価値あるものだ。
リコーはCFPコミュニケーションプログラムを自社ユーザーの印刷人に無償で指南するとは、これまた、大変画期的なことである。
これらの事象は、印刷物の特性を生かし、印刷人が消費者、市民に環境を絡めた社会貢献を図ることであり、社会からもやがては、印刷人を見直してくれることにつながろう。とかく見られがちな、紙ゴミを沢山作り出す劣化したイメージの印刷人でなく、温暖化防止を切々と訴求する愚直な善良社会人としてみ見直してくれよう。
我々はエコプロダクツ2012で地道に、消費者に市民にこの点を訴えてゆきたい。