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会報

2011年11月19日

WATERLESS CURRENT 11年11月号

新しいVIM版が2012年に登場する
イスラエルに構えるVIM社は既に、DI機用途のポリエステルベース、アルミベースの水なし版を供給しているが、アルミベースの高性能・水なし版、DO-S版を発表した。この版の耐刷力は10万枚近くで、網点は350線のものまで再現するとしている。この発表はIGAS2011展の折に、9月19日に開催された第2回世界水なし印刷会議の席上で発表された。
VIM社はサイテックス社をから始まった会社でその歴史は長い。ご存知のように、サイテックス社はエフラム・アラジが創立した会社で1960年代から2005年まで存在した。同社はグラフィックデザイン、印刷、出版の分野に特化した、イスラエルのいわば旗艦会社と言う存在であった。1990年代後半、サイテックス社は3基本事業部に分割された後、サイテックス・グラフィックスグループは2000年にクレオ社に買収され、サイテックス・デジタル印刷グループはKODAKに売却、サイテックス・ビジョングループは、2005年にヒューレッド・パッカード社に売却されたのだ。この時、数社がサイテックス社から離れ独立して行く。
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レバノン国境に近いハニタにあるVIM社の工場
このスピンアウトした会社とか製品群には、インキジェット技術のObjet, Scodix, Diptech, Matan, Korniの各社、デジタル印刷技術のVIMテクノロジー社、デジフレックス社、それに1977年にベニー・ランダにより設立されたインディゴ社があった。インディゴは2001年にヒューレット・パッカード社に買収される。
Avigdor Bieber氏は、この度、(社)日本WPAが主催したIGAS2011での第2回世界水なし印刷会議で講演者の光栄に浴した。彼はかってScitexで活躍し、Eray Plotter、Raystarイメージセッタ、および、あの有名なScitex Dolevの事業部長と最高技術責任者であった。彼はScitexとKBAとの合弁会社、カラットデジタルプレス社の創設者であり、社長でもあったが、菊半才DI機としては始めて世に出してくれ、それが74カラット機で、100台以上のDI機を世界に販売してくれた。
VIMテクノロジーの創立者として、Bieber氏は現在、同社のCEO・取締役会長として勤めている。デジタルの無現像水なし版の他に、同社は、JTインクジェットDirect Plate、つまり、インクジェットCTPシステム、およびインクジェットでのデジタル・プロセスによる、無化学処理の版をそろえている。VIMの版材を含むこの特徴ある一連のデジタル技術は、研究開発と産業貿易と労働の3つの省にまたがったチーフ・サイエンティスト・オフィス(イスラエル独特の技術開発・貿易振興機関)によって、2001年から強くサポートされている実績を誇りにしている。短期間に、VIM社はヨーロッパ、北アメリカ、日本、中央アメリカ、および太平洋の地域に拠点を設けていった。VIMのビジネス・モデルとは、デジタル印刷市場で革新的で、専有的な技術と製品を開発することに集中することであり、その製品のもとで、世界中では数百人の顧客と40社の活動してくれる代理店がいる。
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彼らは、水なし版のDP-R、DOB、DO-S版、およびJTインクジェットCTPシステムに関連した消耗品を取り扱い、「年金的な流れ」を生成して、消耗品と関連したシステムを売っている。一般的な製造品目は外注に出し、自身は、専有的な段階の製造を自社内でこなす方針を採る。VIMの全体の事業戦略は、量産型オフセット印刷機と同様にオンディマンド印刷(POD市場)における短納期のニーズを満たすVIM水なし製品にも絞っていて、変化する印刷産業に合わせた製品とテクノロジーを提供してくれている。
無化学処理ですみ、市場で存在しているどのようなサーマルCTP機でも使える、アブレーション版であるので、これはグリーン・ソリューションの製品として位置づけられる。
VIMのこの挑戦は、すでにPresstekと東レによって築かれた市場に足場を作ることであろう。
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