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2011年09月21日

【IGAS2011注目情報】デジタル印刷機に近づいた水なし専用印刷機GENIUSの実演が日本の印刷人を魅了

日本での公開が遅すぎた嫌いがある。Genius水なし専用印刷機がIGAS2011東レ・日本WPAブースに登場し、その実演が始まると、ただ、人々はその迅速応答、迅速切替、速乾性能…さらに、環境性能に魅せられてしまった。ただ、唖然と感心される方が多く、これはデジタル印刷機により近づけた、しかも、多用途の紙・プラスチックを通せる万能型印刷機と評価していただいた。
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Geniusの実演に熱心に見入る方々
最初に、0.1mmの用紙を通したが、インキを巻いていないローラーにインキを呼び出し、色決めをするのに、本紙刷り14枚目でできるではないか。
これはショートトレイン、キーレスアニロックス・インキング・システムに負うものだ。この仕組みにより、1枚目から、最終枚目まで色は一定となる。
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Geniusの色決め、インキ落としの素早い、優れた機構
本祇を使って、クリーン・プリントと言うモードでインキの掻き落としを図る。壷からのインキ供給を止め、洗浄剤を使うのでなく、本紙を15枚通すと、アニロックスロール、着けローラ、版胴、ブラン胴にあるインキを一気に描きとってくれる。これは何たる裏技なのだろう! いや、裏技でなく、クリーン・プリントと言うモードになっている。
次に、オペレーターは紙から、0.4mmのプラスチックに積み替える。彼はすばやく、版交換にかかる。版交換モードにして、旧版を抜き、新版を差し込む。これを5胴分行うのに、3分ぐらいでこなすではないか。
紙の厚みを変えたが、胴のセッティング変えはフィーダの上部にある左右のノブの目盛りを変更すだけで5胴一編にできる。
さあ、第2ジョブ目の印刷だ。これはプラスチック材であるが、14枚目で色が決まってくれるではないか。
これを見た、あるアルバム印刷会社の社長は、「まさに、デジタル印刷機ではないか。」「15枚はヤレ云々に入らない。」「乾いて出てくれるではないか。」「色が安定している。」
「デジタル印刷機を購入しようと思ったいるが、そのメンテ代、クリックチャージに耐えられない。これは印刷機であり、メンテ代、クリックチャージもかからない上、諸材料代が自分たちの納得する範囲のものである。これは今後の大いなる設備更新の対象機にしてみたい。」と、申されてこの場を去られた。
今朝、その社長から電話をいただき、詳しい資料を送ってくれと要請されたのだ。
私自身、この社長ではないが、デジタル印刷機の長所はあれど、アナログ印刷物の置き換えでは、経済メリットを生みにくいことを悟らされた。デジタルに限りなく近い、アナログ印刷機、まさしく、Printing2.0たる評価を得ることができた。