清水印刷紙工(株)では、ごく最近、UV水あり印刷での、25時間ぶっ通しのロングランの仕事をこなされた。ハッと気がつくと、湿し水と添加剤で565リッターも使っていたではないか。この湿し廃液の処理をバウンダリーから今まで外していたのは如何と着想され、湿し廃液の処理を含めた新しいバウンダリーのもとで排出量計算を見直された。
ちなみに、これを水なし印刷で運用した差ではどう出るか。
清水宏和氏はこのUV印刷の仕事をUV水ありで行ったケース、UV水なしで行うケースとの精査を重ねたCO2排出量の比較計算をしてくれた。
その結果、水ありでは湿し廃液処理の工程(水ありではほとんどが廃液処理業者が行っている作業)がないため、水なしで行うと水ありの値の90.9%となり、CO2排出量は9%ほど低くなることが分かってきた。
UVロングランの仕事は、一般的でなく、ある会員の実際行った事例の油性印刷・小ロット仕事で上のバウンダリー見直し手順で精査したところ、このケースでの水なし印刷では水ありの94.9%ですむことも判明した。5%以下だとカットオフもできようが、これは無視しえない数字である。確かなことは、水なし印刷のCO2排出量は厳格なバウンダリーをかけると、水あり印刷より低く出ることは確かなようである。
これはCO2排出量の観点から述べていることで、実際の印刷に当たっては材料の有無とかの点も考慮しなければならない。
清水宏和氏が算出した内容は、ここをクリックしていただきたい。
油性印刷・小ロット仕事で厳密なバウンダリー見直し手順での水あり・水なし印刷の排出量比較