Geniusは紙印刷も当然できるが、主たる狙いは、紙以外の素材を要領よく印刷消化してくれる能力である。
0.8mmの予めニス引きして、印刷適性を持たせベニヤ板をカード仕立てにして印刷してくれる。
0.8mmのベニヤ板の印刷サンプル
PP(ポリプロピレン)は水なし印刷ではこなしにくいと言われているが、特別装置のコロナ装置をくぐらせると、アンカーコートなしでインキの密着度は格段と向上してくれるのだ。
PP素材に印刷した水なし印刷サンプル
セキュリティの強化を狙い、ブラックライトに反応する特殊UVインキでカード類にオーバープリントする。
ブラックライトに反応する特殊インキでの水なし印刷サンプル
レンチキュラーは数点・印刷試験をしたが、CTPで製版したものは、一発に近い感じで見当が出てくれる。また、Geniusだと、インキの決まりも驚くほどの刷り出しが早さなので、菊四才の僅少丁付けでも生産性は上がってくれるのだ。しかも、その面付け内、ロット内の品質の均一性は従来では、考えられない水準のものである。
レンチキュラーの印刷サンプル1
レンチキュラーの印刷サンプル2
レンチキュラーの印刷サンプル3
特殊原反は材料とそれ用のインキ代も高くはつこう。デジタル印刷なみとはいかないが、それに近い水準までヤレが出ない仕組みになっている。これはUV水なし、キーレスアニロックス・ショートトレインと言うインキングと印刷の機構による。手間を余りかけなくして高価な材料を印刷する仕組みがこのGeniusのウリである。
世界で170台も販売されていて、日本には未だ1台も入っていないと言うことが不思議でならない。これはまさに、UV水なし・キーレスアニロックス・インキングと言う革新的な機構を紹介しなかった、我々水なし印刷人の怠慢と反省したい。
願うことは、IGAS2011を契機に本機を上陸させ、より進化した印刷2.0の姿をぜひ見ていただきたいものである。