日本WPAのユニークな低炭素化に向けた印刷商品を啓発、販促する活動として、第2期カーボンオフセット研修会は6月18日(金)から開催されている。8月26日(木) 午後1時30分より東レ株式会社浦安本社のTV会議室と東レ株式会社大阪本社のTV会議室を結び、2元中継で開催した。
東京会場には10社、14名が参加し、大阪会場には6社、9名が出席してくれた。
冒頭、日本WPA会長・田畠久義が挨拶に立った。
日本WPAはお陰さまで、9年目を迎え、10月8日には一般社団法人日本WPAとして衣替えするまでになってきた。これを機に、臨時設立総会、米国流業態変革セミナー、記念懇親会を開催する。できるだけ多くの会員様にご参集願いたい。
日本WPAは環境対応印刷で求められる、VOC放散値に着目し、2006年6月にはVOC携帯測定器、Micro-FIDを購入した。これを機に印刷工場で発生するVOC放散値の測定事業を開始した。数々のVOCに関する新発見を重ねたが、印刷工場内の環境度を数値で把握必要性を感じたのだ。
地球温暖化防止法の制定を見て、印刷時に発生するCO2量の把握は必須との結論に達す。このとき、グリーンパーフォーマンス推進事業に乗り、会員7社がLCAの勉強に取り組み出した。当初は、LCAを使い、水あり方式と水なし方式のCO2発生量の差の検出を試みたが、勉強する中で印刷方式の差によるCO2発生量の差をつかむのでなく、如何にして地球温暖化防止に印刷人としてかかわり、役立つことの重要性を認識した。一方、業界ではカーボンフットプリント(CFP)のPCR委員会が立ち上がり、その規則の確立がされたが、結果として、印刷物は5段階工程の2段階を受け持つもので、中間材と見なされ、CFPマークは掲示できなくなった。我々はこの事態の対処として、清水宏和氏が作り上げた印刷サービスCO2算出ソフトウエア・PGGを通してCO2排出量を精緻に計算し、これをカーボンオフセットすることで、新しい社会貢献の道筋をつけることとした。京都議定書で決まったカーボンオフセットの手法を使い、印刷物から発生するCO2排出量をCERクレジットで打ち消すことで、直接的な社会貢献につながる道を模索した。印刷物はメディアであり、ここにバタフライCO2ロゴを入れ、排出CO2量を明示することで、一つのインパクトを与えることができた。今日この総量は600トン近くに累積されている。
さらに、田畠会長は日印産連か今取り組んでいる、紙器容器製品ガイドライン作り、自社印刷製品でCFPマークが付けられる新規則の確立、ISO14067整備の動きなどを説明した。
ここに集まる皆様が、バタフライCO2ロゴ、PGGを活用し、カーボンオフセットを使った社会貢献に努めるとともに、ご事業の前進を重ねられたいと結んでくれた。
熱の入った講演をする村上賢之事務局長
13:40〜14:30 一般社団法人日本カーボンオフセット事務局長 村上賢之様から、演題「カーボンオフセットの活用〜ビジネスを伸ばして環境を守る〜」での話を聞く。大変わかりやすい、明快な話であった。
今こそ環境が売れるビジネスチャンスと結ぶ
14:30〜14:45 「カーボンオフセット事例発表」 株式会社栄光舎品質管理チーム リーダー後藤基成様から実践体験談を聞く。ある銀行のCSR報告書にカーボンオフセットを提案した。同行は既に環境の観点から、あらゆる環境施策を実施されていた。カーボンオフセットも銀行系列のプロバイダーを使って実施されていた。しかし、その手続きは煩雑で、しかも、少量では取り合ってくれないと言う。印刷物語ときでは割に合わないと言う感じだ。そこで躊躇もせず、我々のスキームを説明したら、その証明性を確認され、すんなりと決まった。1トン‐2トンのカーボンオフセットこそ印刷物にはぴったりなのかもしれない。ある学校の総合カタログでも環境博学の担当者に我々のスキームを喜んでいただけたとした。環境提案営業、これが後藤さんの極意であった。
14:45〜15:00 「電力測定をしてみて」 新日本印刷株式会社羽田工場長 中井旭様
この話は圧巻であった。今までオフ輪機の電力を定格電力とみなし、PGGを運用していた。連休前に日本WPAの電力測定事業に参画し、システム38オフ輪機の主要動力部・補助部に電流計測機をとりつけ、1か月間にわたり計測した。その結果、同社の平均的なオフ輪の仕事での運用下で、定格電流に対し実測電流は41%と言う結果を示した。正直言って予想外の低い数字であった。他方、ガスの方も計測してみた。こちらの方は定格表示に対し、79.1%と言う数字になった。電力とガスを合体させた数値は、定格値に対し50.3%となる。これは何と低い数値になっていることか!
システム38オフ輪機の電流計測グラフ
ちなみに枚葉機102‐8Pを計測した。ここでは定格値に対し28%と言う数値を得る。これには考えさせられる問題を提議してくれた。
102−8Pの電流計測結果のグラフ
15:10~16:50 会員3社から、自社パンフ制作事例をPGGで計算しか結果を発表していただいた。おおむね発表3社は始めてにしても、合格点の運用をしてくれた。少々のミスがあったが、これはお互いの確認となった。