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展示会

2009年01月07日

パリでの感性展に、稲葉秀樹+六三印刷の水なし印刷の作品が出品された  

今展示会は、目本の中小印刷会社6社が、各社、アーティストとコラボレイトし、アーティストの創作力と各々の印刷会社が持つ確固たる技術力を競合させた上での作品を展示している。過酷な価格競争が製品の質の低下を招く結果に陥っているなか、敢えて、高品質の製品であるだけでなく、そこに新たな価値を付随させることで、印刷業、及び、グラフィックデザイン産業の生き残りを図ったのが今展示会となっている。
コスト削減のみに生き残りを図るのではなく、製品の品質を維持しながらも、クリエーションの創出など新たな価値をそこに加えてみようとする試み、これは本展の大きなコンセプトの『感性』に真に一致するものとしている。
コンセプト『日本の感性』の意味するところは、製品の創作あるいは製造過程において、まだそこには見えない相手、つまり、製品を使用してくれる消費者の心に向けて、機能性と美しさの双方を、製品に埋め込む姿勢、精神を指している。
インターネットが、現代の子供の生活のなかに占める存在力は先進国全ての問題であるが、その存在力が余りに大きく、そこに”住む‥子供等の感性は、視覚と聴覚のみが優先され、人間が本来、持ち得ていた、残る3感(触感、嗅覚、味覚)については置き去りにされている。
日本のテクノロジーや技術力が世界から評価をうけるようになって久しいが、その世界に誇る技術力とは、日本または日本人の「感性」に基づいていたといえるのではないだろうか。
何故ならば、技術やテクノロジーとは、決して人間の「感性」を越えるということはあり得ないので、それを創り得た人々の感性に基づいていると言えるわけだ。
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細い線で描かれた女性のシルエット、上質紙に水なし印刷で印刷。その透明感が高い評価を得た。
水なし印刷と活版印刷でつくりあげた六三印刷(三島秀夫さん紹介)稲葉英樹さん作品
出品したこの作品は、他の作品にみられるような特徴、例えば、樺細工の印刷、十一世紀の巻物、リサイクル紙の使用、ようふくの本、と違い、大変プロ受けするもので説明係員は、一般見学者の方に説明するのを避けた。逆に、プロの方からの評価を得た。
作品の外観はフランスのアーティスティックな本の感触と似た感じがした、と評価。特にグラフィックデザイナーなどプロの方が、作品の中味に見人って、線の繊細さを賞讃してくれた。
特に、あるグラフィックデザイナーの女性はこの作品を「感動的」と形容しており、「感動」という言葉が聞かれたのは、この作品のみであったと言う。