5月21日のサイトでも見解を述べたが、「環境に優しい」という表現は、素晴らしい響きを持っているが、これはあくまで情緒的、概念的表現で、なぜ、という説明には欠ける。公正な説明とは数値表現を差し置いてない。
過去、1年間、VOC削減と水なし印刷の関係は我々の実測を通して解明されてきた。日精ピーアール・保木間工場で2回VOC計測をしたが、何と恒常的に0ppmの値を示してくれた。条件を整えると、水なし印刷では可能なのである。
7月の洞爺湖サミットに向け、我が国は如何にして地球温暖化防止のためのCO2排出削減に取り組むか、政府筋は合意を目指し英知を絞ってその準備折衝にあたってくれている。我々、産業人もこのことを理解し、日々の産業活動でも温暖化防止を視野に入れて取り組むべきときが到来している。日々の行動、取り組みが時を経て、大きなCO2排出削減につながっていく。
調べてみると、水そのものからCO2は排出されないが、我々が使える水を手に入れるには浄化、送水の作業がかかり、CO2排出係数が生まれてくる。また、湿し水を循環冷却しているが、その残留液は産廃処理にかけなければならない。これとてCO2排出係数を有している。
考えてみると、水なしは物理的手法でインキづけをしてくれ、古来の活版印刷術に一脈通じるシンプルな仕組みのため、水あり印刷のような余分なCO2排出係数を伴わない印刷方式と言える。
水なし印刷では枚葉標準機(菊全4色機)・1日24時間稼働で水あり印刷と比べ、CO2排出量は1日当たり5.187Kg-CO2を削減する。1年間300日では1556Kg-CO2の排出量を水ありから見ると節減してくれている。これはなんとブナの木141本の年間CO2吸着量に相当してくれ、いわば、これだけ植林したことに相当する。
水なし印刷は環境優位性の長所だけにとどまらず、FMとの相性が大変、優れている版式であることがわかってきた。水ありでは15μなどの極細点は水の回り込みで、網点形状をゆがめてくれる。水なしは余分の阻害物質・水の影響を受けず、あたかも凸版印刷にも似た感じで、シャープな極細点の網点形成を恒常的にしてくれる。これがシャープな上がり感を示してくれる。また、水という変動要因を持たないため、カラーマネージメントシステムでの安定性が見直されてきている。
これらの水なし印刷の特徴を網羅した説明フライヤーをぜひご覧いただきたい。印刷ユーザーの方々に申したいのは、同じ印刷物を作成するなら、CO2排出削減にもつながってくれる、水なし印刷にぜひ、ご配慮いただきたい。
080526水なし印刷CO2排出量削減モデル_2
リーフレット表裏.pdf
6月3日(火)から6日(金)、東京ビッグサイトでNEW環境展に日本WPA会員企業6社が出品いたします。こちらの方で詳しくご説明いたします。