札幌市の総合商研(株)の工場に立ち入り、年末の繁忙期にかかわらず、COV放散値測定をさせていただいた。B縦半歳4/4機3台は水ありで使用、A横全4/4は水なし専用機で運用されていたが、室内の空気対流、循環、アルコールフリーの湿し水、水なし印刷と今の段階で取れる処置を施された結果、オフ輪部門でのVOC放散値は低いものであった。
オフ輪室・紙の仮置き場周辺
1号機 B縦半才4/4機(稼動状態)
チョッパー周辺 16.1、ドライヤー周辺 21.2、
3胴目(下胴) 43.7、2胴目(下胴) 25.2、1胴目(下胴) 19.0
湿し水循環槽を計測(湿し水にエコリティCTP湿し水を使用) 21.2
オペレーションスタンド内 16.2、
2号機 B縦半才4/4機(稼動状態)
周辺 19.3、
4胴目(下胴) 28.3、3胴目(下胴) 27.4、2胴目(下胴) 23.4、1胴目(下胴) 14.1
ドライヤー周辺 19.6、ドライヤー開放時 20.1、
3号機 B縦半才4/4機(運転中止状態)
4胴目(下胴) 16.4、3胴目(下胴) 15.7、2胴目(下胴) 17.0
ドライヤー周辺 15.2、
A横全4/4は水なし専用機
4胴目(下胴) 6.0、3胴目(下胴) 12.1、2胴目(下胴) 11.3、1胴目(下胴) 9.4、
ドライヤー周辺 5.4、
水ありB縦半歳4/4機(稼動状態)の2機の平均値は
4胴目(下胴) 28.3、3胴目(下胴) 35.6、2胴目(下胴) 24.3、1胴目(下胴) 16.6、
となり、1サイズ大きいA横全の水なし機の印刷中のVOC放散量は、B縦半才機の1/3~1/2の放散量にしか過ぎない。B縦半歳4/4機(稼動状態)の値とて、通常の工場から見るとはるかに低い値であるが、水なしオフ輪ではさらに低いものとなる。
ちなみに、屋上の排気口に上り、排気口付近のVOC値を測定したが0であった。VOCは外には出していない。
枚葉印刷室の計測を行った。ここは年末の年賀状に仕事の繁忙期で4台の機械はフル回転であった。また、仕事の性格上、水なし専用リスロン404色・フルAPC機は水なし版を使っていたが、色替え作業に入り、瞬間的にVOCの放散値は上昇した。これが天井の低い部屋に滞留し部屋全体のVOC値を高めている傾向がある。
枚葉印刷室入口付近 32.0
リスロン40・4色機
4胴印刷部 50.3、4胴印刷部 55.1、2胴印刷部 51.3、移動印刷部 48.0
スピカ菊半才4色機(水あり)
4胴印刷部 51.3、4胴印刷部 40.2、2胴印刷部 41.5、排紙部 37.4
リスロン20 4色機+UV装置
排紙部 55.7
枚葉印刷室については、頻発色替えの不利な条件ではあるが、VOC削減の余地があるとみた。しかし、一般的なオフセット工場から見るとまだ、低い値ではある。
逆を言うと、総合商研のオフ輪室はこと、VOC放散値に関しては、枚葉室以下の抑制をされていたのだ。
B縦半才4/4色機のVOC地を測定
水あり機の湿し水縦貫装置の槽を開けて計測、そのVOC放散量は比較的低い値を示していた。
色分けして識別しやすくされている屋上の排気口、この付近にはVOCの放散は見られなかった。