以下、本号の記事の一部を引用してみる。DI機は環境面から見るとすばらしい要素を備えている。
これを生かしている、英国の印刷会社の事例。
Anglia社は水なしPresstek DIでさらなるグリーン化、さらなる効率化へ
「人口2万人のこの町には印刷会社が6社あり、どこも同じサービスを提供していて、価格が最大のセールスポイントとなってしまう。顧客は忠誠心に欠け、ただ、安価さを求めて印刷会社を次々と変えて行く。各社ともできるだけのコストダウンに明け暮れているだけだ。諸材料、動力はできるだけ安いものを購入し、危険廃棄物規制の遵守から距離を置き、再生には頓着しないのだ。廃棄物は埋立地行きとしている。」と、彼は過去を思い起こす。しかし、今や、台所のゴミを含め、我々は100%の再生を行っている。
「私は環境の問題を強く感じていて、Anglia Print Serviceをできる限りグリーン化してゆくのだ。」と、彼は続ける。「最初の段階として、グリーン電力に変え、次いで、植物性インキを導入し、アルコールとか溶剤類の化学物質を取り払い、今は気候変動ニュートラル(climate neutral)の会社となってくれた。我々は品質の高い、再生紙にも目を向けている。今や再生紙の量を買うので、普通紙より安く買える。コンピューターのメディアの無料回収に着手し、今年の5月まで、CDやDVDを8トン集めたが、放置していると、これらは埋立地行きとなったであろう。
JohnはPresstek DI機を3年前に見たのが最初である。「その時、市場にある全てのメーカーを候補として眺めていた。Presstekの無薬品処理に興味を持ったが、私の考えと一致するものがあった。当時のわが社は、4色機購入には及び腰であったが、市場の動きに追随し続け、この技術の発展を注視していた。今年、4色物の需要に遅れを取らないよう格闘する局面になり、4色オフセット機の購入に向けにわかに検討に入った。従来オフセット機の構想は直ぐにとりやめとなった。と言うのは、Presstek DI機は完全自動の上、Prestekの包括的な指導訓練がありこれは我々のニーズに合致するものであったのだ。
もっと効率が上がる
DI機は2台の印刷機と雑多のプリプレス装置の計8台の機械・装置と入れ替えた。「これで我々のエネルギー消費量は40%下がり、印刷室のスペースは空いた。さらに、このマシン自体の据付け面積はいたって狭い。」と、Johnは指摘する。
「従来工程から見ると、如何に簡便にこの方式ではこなせられると驚嘆している。RIPをかけてから初刷りが出るまで平均15分であるが、従来、2時間はかかっていた。超特急はお手の物となり、即日納品が利く。他のやり方だと、5日納品体制(turn around)となる。今まで使っていた全消耗品、補助資材を計算すると、40%の消費量を削減できた。DI機だと色決めがすばやくできヤレ紙は30%削減している。」
機械の導入時は鉱物油のインキであったが、Johnの要望によりPresstekは植物性水なしインキを出し始めた。環境にやさしいと同時に、水なしインキは早く乾いてくれる。Angliaは裏刷りする場合、1日、場合によっては2日おいていたが、今や、これが数時間でこなせるようになった。
挑戦過程
250部までのカラー物は除き、あらゆる印刷物、同社の発行している雑誌までも、このDI機で印刷している。「350gの再生シルク紙で、4色もの、下地が墨ベタ調と言う、手の込んだ仕事をしている。通常のオフセット機で行うと、下地の墨ベタ調の再現のために2度刷している。」と、Johnは説明する。「この仕事を見た時、まだDIカーブの勉強中の身分で、DI機でうまくできないのでないかと思い込んだため、愕然としたのだ。でも、結果、15枚の刷り出しでできたので、その喜びようを想像していただきたい。これを印刷技術作品展に持ち込もうとしている。Presstekも我々の成果に感心している。」
JohnはDI機の導入で、売上を倍増すると期待している。「DI機でまだ、市場参入の始めであり、いつも個展を開催するつもりで、我々の姿を見てもらうよう顧客をわが社に誘っている。我々はこの地域の行政の仕事に食い込めたが、環境ロゴの信任を得て、賞賛される体質を作らねばならない。我々の品質には自身があり、20%方は競争力をつけたであろう。品質と競争力、両方をぜひものにしたい。」
John PopelyはPresstek 52DIで器用にこなした、挑戦的な仕事を見せてくれる。