3月9日(金) ソノベ(仙台市)の工場で三菱菊全4色機3G型を使い、ジャパンカラー対応になった水洗浄性インキ(W2)の実用印刷試験とVOC放散量の測定を行った。
既に数社でジャパンカラー対応のW2インキの実用試験は行っている。ソノベでは6000枚を通してみて地汚れ度、インキの流動性と転移性、印刷適性を検証してみた。ソノベの水なしインキの使い方として、比較的高温31度の温度設定で水なしインキを使っている。地汚れ一歩手前で、できるだけの流動性と転移性を確保したいからとの観点である。ところがW2インキでは30度を切れる範囲での運用が適正なのだ。試験して判明したが、その流動性と転移性は従来の水なしインキより格段と上がってくれている。したがって、べたの着きは大変、優れていた。途中、黄と紅に地汚れが生じたが、添加剤を加えて改善を図った。
それ以降は、11,200rphのスピードで保険のパンフレットの仕事を6,000枚通した。このときの版面温度は27度を示す。
この状態でVOC放散量を測定したが、1胴目は1.4ppm、2胴目は7.9ppm、3胴目は17.2ppmと大変低い値を示した。数字の変動幅は、空気の流れによるものだ。これは大変低い値である。
ボトルに入れたW3洗浄剤でローラーにかけて、手動インキ洗浄を行った。このときのVOC放散量は
1胴目は501ppm、2胴目は304ppm、3胴目は170ppmと示した。
自動洗浄よりは当然、数字は跳ね上がったが、過去に洗油ボトルで行った手動洗浄の値から見るとこの数字も低い。しかも、一瞬にしてこの数字は減衰してくれた。滞留がないという感じであった。
この洗浄液は粘度が若干高く、自動洗浄化への対応、ブランケット洗浄時への液の粘性の改善が必要と思われる。しかし、W2インキの前回バージョンからみると、使えるめどがついてきた。条件を整備すると、印刷時のVOC放散量は一段と低い値を示してくれた。
?ソノベでのW2インキテスト時にVOC放散量の測定を行う