大気汚染防止法の施行により、我々印刷人もVOC発生の自主的抑制に取組む必要性を求められてきている。日本国内のVOC発生量のワースト2産業が何と、印刷産業からのものである現実に取組みたいものだ。米国の情報でも残念ながら似たりよったりで、印刷産業からのVOC発生量は最上位部にランクされている。
今まで、我々印刷人はひたすらに、生産性、経済性を重視した生産の仕組みを作り上げてきた「ツケ」とも言えなくはなかろう。環境をキーワードにした、水なし印刷を掲げる我々は、正面向かってこの問題に取組もうとしている。東京都がこの度、発表した「VOC対策アドバイザー制度」は心強い施策で、ぜひ、都内の印刷会社は本制度のご活用をお薦めしたい。専門知識と経験を有するアドバイザーが工場を訪問してくれ、無料で印刷工場内のVOC数値を測定してくれ、その削減の助言してくれる制度である。水なし印刷のW2インキ(水洗浄性インキ)と非石油系界面活性剤洗浄液を使うと、オフセット工場内でのVOC発生量は相当に、削減できるものである。この制度をご活用いただき、ぜひ、水なし印刷会社の環境ステータス向上を図っていただきたい。
東京都ホームページ:「東京都VOC対策アドバイザー」
東京都広報1月1日号:「東京都VOC対策アドバイザー制度」