16年12月21日、全印工連水なし印刷研究会の発足につき、同会会長・田畠久義氏が業界紙記者に発表を行った。
( 前列左から2番目、全印工連水なし印刷研究会・会長・田畠久義氏)
ジーゼルエンジンの例を引き出すと、このエンジンの熱効率は悪いと一般的にはわが国ではみなされている。CO2の問題があり、黒鉛を吐く、窒素酸化物が出るとのイメージが付きまとう。ところが、欧州では以前と違い、技術改良が伴ってジーゼルのよさが見直されている。これと似た状況が水なし印刷にも当てはまる。
「水なしは埃を呼ぶのでしょう。菊半まででしょう。」とかの間違ったイメージをまだもたれている。水なし印刷は20年以前のマイナスイメージを市場ではまだ引きずっている。我々はこれを何とか払拭したい。今日の水なしはパッケージ、オフ輪でも随分使われて来ているのだ。
日本WPAは環境ロゴを守るクローズドな集団であるが、全印工連水なし印刷研究会はオープンな集団とし、環境の意識を持った方々には広く門戸を広げて活動したい。印刷界の環境問題への取り組みの先導的な役目を担って行きたい。本会の運営は当初は受益者負担でおこなう。
20名の会員で発足する、その活動の一部は日本WPAと輻輳する部分は出る。
同時に以下の説明文が配布された。
『この度、全日本印刷工業組合連合会の中に、全印工連水なし印刷研究会を設置することになりました。浅野会長はじめ、ご関係各位の深いご理解をいただき、環境問題により適合する水なし印刷の一層の普及促進を図ろうとするものです。印刷の主流のオフセット印刷を大幅に変えなくてすみ、環境によりやさしい印刷への運用が図れます。しかし、そのためには、細かい操作運用での改善と徹底、さらに、より進んだ、より適合した材料の開発も必要となってきます。また、印刷ユーザーへも印刷人が環境適応に努力を払っている姿勢を訴求しなければなりません。
ここに、水なし印刷に取り組んでいる全印工連組合員が核となり、幅広い外部の方々にも本会への参加を促し、自主的な運営と活動により、その目的である、より環境に適応した印刷方式の確立を目指す次第です。
日本WPAもこの組織に積極参画し、同協会のもつ、世界の水なし印刷の仲間をも間接的に巻き込み、より実用に即した情報収集、消化をはかり、本研究会を通じて、広く組合員の皆様へも世界レベルの情報発信を重ねる所存です。
とは申しましても、まだ、誕生間もない組織で、走りながら今後の運用の肉付けを図りたく思っています。どうか、組合員様、業界のご関係の方々のご参加をお願いいたします。
当面の活動計画
17年3月ごろ、4/4・8色機を水なし印刷で運用されている都内の導入先での工場見学、セミナーを開催してみます。なぜ、水なしに切り替えて運用を始めたのか? その使用上の長所・短所はいかなる点であるか? さらに環境により優しい製本方式につき、講演を開催したく計画いたします。
これらの情報は全印工連HPとリンクを張られた、日本WPAのHPにその都度、更新記載を図り、こまめな情報発信にも勤める所存でいます。
参加希望者は日本WPAサイト内の全印工連水なし印刷研究会のページより入室していただき、会員登録をしていただきます。会費は当面は無料、催事の参加時に参加費をいただきます。 以上
全印工連水なし研究会 会長 田畠久義