12月15日、第24回国連気候変動枠組み条約締結国会議(COP24)で、2020年以降の地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」の実施方針が採択され、地球の気温上昇を産業革命から2℃未満にする目標は維持されることになった。
パリ協定の「2℃目標」を実現するには、温室効果ガス(GHG)の排出量を把握する必要がある。そのうえで、削減目標を設定し、計画を立て、実行する必要がある。GHGの排出量の把握については、環境省・経済産業省が「サプライチェーン排出量」について、SCOPE1、2、3において指針を示している。
SCOPE3は、事業者自らのGHGの直接排出を示すSCOPE1、及び他社から供給された電機、熱、蒸気に伴う間接排出を示すSCOPE2を包括し、サプライチェーン全体としての排出量を示すものであり、更に15のカテゴリーに分類されている。
印刷業もサプライチェーンの一角を担っており、SCOPE3への準備を意識する必要がある。
次に、GHG排出削減に対する世界的な取り組みとしてSBT(Science Based Targets)を取り上げる。
SBTは、前々回取り上げた「We Mean Business(WMB)の取り組みのひとつとして実施されている。日本では、企業版2℃目標(SBT認定)として推進中であり。2018年11月27日時点で、SBT認定取得企業は世界で157社に達し、日本で32社、アメリカでの37社に続き世界で2位となっている。
「企業版2℃目標の(SBT)のイメージは図に示すとおりであり、2050年に、2010年比49%〜72%削減を目安として、2025年〜30年頃の目標を、気候科学(IPCC)に基づく削減シナリオと整合させて設定するものである。
企業番2℃目標に対して、取り組み事例や企業名が公表されており、https://www.env.go.jp/earth/ondanka/supply_chain/gvc/dms_trends.html#2018nendo
を参照されることをお勧めする。
なお、使用した画像資料は、全て環境省グリーン・バリューチェーンプラットホームより引用した。