10.24~10.28の期間で「中国国際印刷技術・機械展(All in Print China)開催されている。上海市浦東にある展示会場の9ホール(110,000�)に1000社が出展し、来場者は年々10%以上増加し今年は10万人以上と見込まれIGASを超える規模となっている。
前回のDRUPAやIGASが、インダストリー4.0に向かっての展示が中心で、デジタル時代の真っただ中に身を置く感覚であったが、今回の中国全印展では、従来機器の延長線上で展示が中心で、まだまだアナログ健在、デジタル夜明け前の様相であった。
印刷機、製本機、ラミネート機、箔押し機、型抜き機など大掛かりな実演デモを行い、過去のDRUPAやIGASを思い出させるもので、当然、出展社のほとんどは中国国内メーカーで、多くの観客を集めていた。
日本、欧州からの出展社は、実物ではなくパネルや映像での展示が主であり、最新のデジタル印刷技術を駆使した中国国内の先進的な印刷会社で作成した印刷物も多く展示されていた。
今回の展示で、特に目を引いたのが、VOC削減をあらゆる局面でアピールしていたことである。印刷関連の製造機器、資材全般にわたってVOC削減、低VOCを訴求していた。背景には、中国全土での大気汚染の深刻さがあり、PM2.5は依然目標値までには削減できていな現状を打開する取り組みを、官主導で民間が必死に対応している証ともいえる。大がかりなVOC削減装置が展示されており、本当にこんなものが必要なのかとも思うほどであった。
VOC削減に効果のある水なし専用のラベル印刷機も「金箭機械設備有限公司」が出展していた。喫緊の課題であるVOC削減のために、中国での水なし印刷の拡大、さらには3Wインキの実用化を期待したい。
余談であるが、入場するには、おなじみの「名刺を2枚お願いします」とは全く別のシステムで、紙ベースのエントリーは一切ない。スマホで中国版SNS(微信)でQRコードを読み取り、表示された項目を入力し、再度に受付画面にQRコードをかざすと名前、所属が印刷された入場証が出てくる仕組み、微信を利用していない人はどうしているのかが気になったが・・デジタル化の波は、日本に状に浸透している分野も多い。町での買い物のキャシュレス化は当たり前で、タクシーに代わる配車アプリによるサービスも充実しており、レンタサイクルも巷に溢れている。
早晩、中国印刷業界でも、日本欧米並みのデジタル化が進展するのは間違いない。